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vol.61「EVは48万円で製造可能」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】   名古屋大学の山本真義教授らが中国の自動車メーカの上汽通用五菱汽車の格安電気自動車(EV)「宏光MINI EV」の最上位版(3万8800元、約69万円)を分解調査し、そのコストを合計48万円と推定しています。 この低コストの理由は大きく二つで、一つはEVで常 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.61「EVは48万円で製造可能」

 

【今週のトピックス】

 

名古屋大学の山本真義教授らが中国の自動車メーカの上汽通用五菱汽車の
格安電気自動車(EV)「宏光MINI EV」の最上位版(3万8800元、約69万
円)を分解調査し、そのコストを合計48万円と推定しています。


この低コストの理由は大きく二つで、一つはEVで常識とされる機構を省い
たこと、もう一つは搭載部品で既存品を徹底的に使い回していることとし
ています。


EVで常識とされる機構の省略の例としては回生ブレーキと水冷装置の省略
が挙げられています。回生ブレーキは減速時に車輪の回転力を電力に変換
し車載電池に戻すシステムでEVの航続距離を延ばすには不可欠ですが、宏
光MINI EVには搭載されていません。そのため、この車の航続距離は最上
位版でも170キロメートルと短めです。それでも、回生ブレーキを省くこ
とで電装品を簡素化でき、例えば直流電流を交流に変えるインバーターで
は一般に6万円ほどかかるコストを1万6000円程度に抑えています。


既存品を徹底的に使い回している例に減速機の基幹部品のベアリングがあ
ります。このベアリングは専用設計ではなく、中国製のカタログ品を使用が
しています。インバータや充電器など電装品には耐久性が高い車載仕様で
はなく家電用半導体が使用されています。当然、これらの電装品は故障し
やすくなりますが、モジュールごと交換する設計で修理の手間を少なくし
その弱点を補っています。


中国の地方都市・農村では公共交通機関はもちろんガソリンスタンドすら
未整備な地域が多く、そうした地域の住民は自宅で充電できるゴルフ場の
カートのような低速EVを足代わりに使っています。上汽通用五菱は宏光MINI
EVを「代歩車(足代わりの車)」と名付け、年間100万台ほど売れている
この低速EV市場をターゲットとしている様です。
参考)「中国EV、機能絞り50万円台」『日本経済新聞』、2021年12月21日、16面


開発購買によるコスト低減のケースです。ここから伺えるのは、コスト低
減には、これまでの常識に囚われずに真摯に市場と向き合い、市場が求め
ていない機能・仕様は大胆に削ぎ落す、原材料・部品に標準品を使うといっ
た二点が有効ということです。何れもコスト低減の常套手段です。コスト
低減に奇策はなく、基本の徹底が重要と考えます。


2022.2.4

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