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vol.131「調達購買DXを進めるリーダーに不可欠な3つの要素」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】   支援企業として外側から見ていると、調達購買領域のDXを進めている日本企業はまだまだ少ないと感じます。調達購買領域のDXを進めている企業とそうでない企業との差はどこにあるのか、今回は調達購買領域のDXを進めているNippon Gases Europeのケースか ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.131「調達購買DXを進めるリーダーに不可欠な3つの要素」

 

【今週のトピックス】

 

支援企業として外側から見ていると、調達購買領域のDXを進めている日本
企業はまだまだ少ないと感じます。調達購買領域のDXを進めている企業と
そうでない企業との差はどこにあるのか、今回は調達購買領域のDXを進め
ているNippon Gases Europeのケースから考察します。


先日、日本酸素ホールディングスグループのNippon Gases Europeで調達
購買変革を推進している同社のプロダクティビティ&プロキュアメントディ
レクター ガブリエル キーウェック氏の講演を聞く機会がありました。


同社では欧州のグループ企業の間でSAPやOracle等、また同じシステムで
も異なるバージョンのものを一つとしてカウントすると8つのERPを使って
おり、支出の一元管理やそれぞれのEPRに重複して登録されるサプライヤ
の統合管理が課題となっておりました。


ERPの統合は影響範囲も広く調整に時間が掛かるといった問題があり、ガ
ブリエル氏は支出・サプライヤ管理システムをそれぞれのERPから切り出
し、統合支出・サプライヤ管理システムとして一つの独立したシステムを
置く事でERPの統合に左右されない形で支出・サプライヤの一元管理を短
期間で成し遂げました。


こうした変革の最大のチャレンジは変革開始後の技術的課題よりも、変革
そのものに踏み切る事です。調達購買業務は従来より為されているもので、
どこの企業でも色々と課題はあるにしても今までも業務は何とか回ってお
り、業務が回っている限り、大抵の企業では課題解決のための変革に踏み
切る事は致しません。なぜ、同社ではそうした変革に踏み切れたのか、ガ
ブリエル氏は以下の様に説明しています。


「企業買収によりグループの拡大を進める以前からずっと支出管理システ
ムを導入しようとしてきたが、経営者の経営課題の優先順位は調達購買領
域ではなかったため調達購買システムへの投資はされてこなかった。


それでも、日本酸素には改善DNAがあり、サプライチェーンの環境変化も
あり、ビジネス側から調達購買領域の改革を求め投資が後押しされた。課
題が山積でスレッシュホールドに来ていたとも言える。」


ガブリエル氏のコメントから調達購買領域のDXを進めるのに不可欠な要件
は以下の様に読み取る事ができます。


1) 調達購買部門のリーダーが現状に満足する事なく、調達購買部門のあ
るべき姿・ビジョンを有している


2) 経営・要求部門が調達購買部門のあるべき姿・ビジョンに共感・期待
している


3) マネジメントが業務改善に必要な投資を行う


1)は調達購買部門のあるべき姿・ビジョンを調達購買部門が自ら培い、2)
は経営・要求部門に対し調達購買部門がそのあるべき姿・ビジョンの共有
に努める事で為しうるものです。1)と2)が実現すれば3)の業務改善に必要
な投資は自ずとついてきます。


2023.7.14

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