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vol.125「ChatGPT等の生成AIの調達購買・SCM領域の活用事例として見込まれるサプライリスクアラートソリューション」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】   様々な業務での活用が見込まれるChatGPTを始めとする生成AI(人工知能)。2023年4月にドイツで開催されたHANNOVER MESSE 2023でかなり早期に実務で使われそうな活用事例が参考出展されましたのでご紹介します。 こちらはマイクロソフトが出 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.125「ChatGPT等の生成AIの調達購買・SCM領域の活用事例として見込まれるサプライリスクアラートソリューション」

 

【今週のトピックス】

 

様々な業務での活用が見込まれるChatGPTを始めとする生成AI(人工知能)。
2023年4月にドイツで開催されたHANNOVER MESSE 2023でかなり早期に実務
で使われそうな活用事例が参考出展されましたのでご紹介します。


こちらはマイクロソフトが出展したもので、「ある地域で気象災害が発生
したとする。すると、AIがサプライヤーの被害状況をインターネットを通
じて調べ上げる。直接的な被害情報が無くても、過去の同様の事象から材
料供給に影響を及ぼしそうなサプライヤーを洗い出して報告してくれる。」
というものです。
出所)
石橋 拓馬著「HANNOVER MESSE 2023 ChatGPTで保守点検支援など、MSやシー
メンスらが製造業の生成AI活用事例を披露」『日経クロステック/日経も
のづくり』2023年4月24日 (https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02435/042100004/
閲覧日:2023年5月29日)


事例の様に生成AIを活用すれば、過去のリスク事象が顕在化した事例から
地域・リスク事象を整理し、そのリスク事象が影響をもたらした地域・買
い手企業・材カテゴリー等を調べ上げて学習し、新たに供給リスクが顕在
化した時に、どこの地域のどういった業種のどの材カテゴリーに影響が出
るか推測ができます。ですのでこの類のソリューションはかなり近い将来
に実用化されるものと考えられます。


しかしながら、現在の生成AIの弱点の一つに学習していない事には回答で
きないという事がありますので、100%の確率で影響を受ける材・サプラ
イヤを洗い出す事ができるというのは期待すべきではありません。例えば、
その地域で新しく起こった産業に対する災害といった過去にその地域で無
かったリスク事象や買い手が新しい産業であったりすると、学習漏れがあ
り影響の予測ができない可能性があります。ソリューションのユーザ側で
はAIが何をどの様にどれだけ学習しているかが分かりかねるので、どこ迄
であればAIの予測を当てにし、どの範囲については人間側で重点的に検証
すべきか判断ができないという課題もあります。


リスク管理や危機対応の肝の一つにはリスクや危機の二次被害を想定する
という事があります。仮に生成AIによるサプライリスクアラートソリュー
ションが実用化されたとしても、そのアラートのみに頼るというのではな
く、顕在化したリスク事象の影響の洗い出しのたたき台の作成といったア
シスタント的な位置づけに留め、それを基に漏れている影響範囲がないか
膨らませて考えるという使い方が主流になるのではと考えます。


2023.6.2

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