vol.121「IPCCの第6次統合報告書で加速するサプライチェーンの温暖化ガス削減」
vol.121「IPCCの第6次統合報告書で加速するサプライチェーンの温暖化ガス削減」
【今週のトピックス】
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次統合報告書により
ますと、
■人間の活動が地球温暖化を引き起こしてきたことは「疑う余地がない」
■1850年以降の累積排出量の4割超は直近20年間分
■11~20年の世界の平均気温は1850~1900年を既に1.1度上回る
■各国の従来の削減目標は「極めて不十分」
■今のペースでは10年以内に異常気象のリスクが高まる1.5度の気温上昇
に達する恐れがある
■それを回避するには排出量を35年に19年比60%、40年に69%、50年に84%
減らす必要がある
出所)「IPCC報告『温暖化ガス35年60%減を』」『日本経済新聞』2023年
3月21日 (https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230321&ng=DGKKZO69461200R20C23A3MM8000
閲覧日:2023年4月24日)
と厳しい警鐘を鳴らしています。この報告によりますと、温暖化ガスの
削減目標の上積みが必須となる可能性が高いと言えます。そうなってき
ますと、自社内の温暖化ガス排出量の削減だけでは不十分となるでしょ
う。
何れの製品・サービスにおいてもその大部分はその構成要素のサプライ
チェーンで構成されています。本報告にもあります通り、温暖化ガスの
排出と経済活動とは密接な関係がありますから、温暖化ガスの排出量の
多くはサプライチェーンで生じている方が圧倒的に多い事が容易に推測
されます。
ですので、温暖化ガスの削減目標の上積み・前倒しのみならず、管理・
削減の焦点がサプライチェーン上の温暖化ガスに移ってくる事が予想さ
れます。
2023.4.28