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vol.117「米メタ社/ 半導体サプライチェーンでデカップリングを進める」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】 企業によってはじわりと民主主義国家を中心とするサプライチェーンと中国を中心とするサプライチェーンとのデカップリングが進められています。 日本経済新聞社が米メタの最新の仮想現実(VR)ゴーグルを分解調査した所、「米国部品の使用比率は34%と従来機種より4ポイント上昇した。半 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.117「米メタ社/ 半導体サプライチェーンでデカップリングを進める」

 

【今週のトピックス】


企業によってはじわりと民主主義国家を中心とするサプライチェーンと中
国を中心とするサプライチェーンとのデカップリングが進められています。


日本経済新聞社が米メタの最新の仮想現実(VR)ゴーグルを分解調査した
所、「米国部品の使用比率は34%と従来機種より4ポイント上昇した。半導
体や記憶装置、通信といった情報処理の中核を担う部品には米国製を中心
に構成する一方、ディスプレーには中国製を使った。半導体は徹底して地
政学リスクを回避しつつ、それ以外では割り切って中国製を使う調達戦略
が浮き彫りとなった。」との事です。
出所)「VRゴーグル、米部品が中核」『日本経済新聞』
2023年3月21日朝刊14面


サプライチェーンの構築・変更には時間が掛かります。事が起こってから
対応していては間に合いません。米メタ社はそれを見越して半導体のサプ
ライチェーンではデカップリングを進めたのでしょう。


一方で「原価全体に占める中国部品の比率は18%で従来機種より14ポイン
ト上昇した。半導体での中国企業の採用には慎重だが、特に原価全体に占
める比率が高い高精細液晶で、中国の京東方科技集団(BOE)製を使った
点が影響している(出所:同上)。」とディスプレーには中国製を使ってい
ます。メタ社はディスプレーについては米中対立の地政学リスクは低いと
判断して敢えてこのリスクを取る事を選んだのでしょう。


二つのサプライチェーンのデカップリングを行うか、行う場合にどの材カ
テゴリーで行うかというのは各社のリスク観で分かれます。何も検討せず
に現状維持を続ける事だけは避けるべきと考えます。


2023.3.31

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