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vol.104「調達購買業務においてSDGs・ESG対応を進めるには」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】 「日本経済新聞社は国内886社について、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを格付けする「SDGs経営調査」をまとめた。人権侵害の救済対象をサプライチェーン(供給網)まで広げている企業は269社(全体の30.4%)だった。」出所)「(NIKKEI SDGs)人権 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.104「調達購買業務においてSDGs・ESG対応を進めるには」

 

【今週のトピックス】


「日本経済新聞社は国内886社について、国連の持続可能な開発目標(SD
Gs)への取り組みを格付けする「SDGs経営調査」をまとめた。人権侵害の
救済対象をサプライチェーン(供給網)まで広げている企業は269社(全
体の30.4%)だった。」
出所)「(NIKKEI SDGs)人権侵害による事業リスク、供給網の対策3割どま
り」『日本経済新聞』2022年11月17日 (https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20221117&ng=DGKKZO66051390X11C22A1MM8000
閲覧日:2022年12月28日)
2022/11/17付


SDGsの対応難しいですよね。一つには目標数が17、それらを更に具体化し
たターゲットが169と非常に多岐に亘っており、何に注力すれば良いのか
分からないという事があります。


もう一つにはSDGsは持続可能な開発を進めるために国連で採択された目標
ですので企業経営に直結していない事があります。例えば、それらの目標
は貧困撲滅や飢餓の解消、目標を具体化したターゲットであっても「2030
年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の
貧困をあらゆる場所で終わらせる。」といった形でかなり公益的なもので
あり、それぞれの企業の事業内容によってはすぐに結びつかないものが多
くあります。


SDGsを企業経営に落とし込んだものにESGがあります。ESGは企業経営にお
いて"Environment(環境)""Social(社会)""Governance(ガバナンス)"を重
視すべきという考え方ですが、自然発生的に広まっていった考え方なので
ESGそれぞれの分野の中で何をすべきかといった指針は各企業の判断に任
せられています。


ESGもSDGsに比べれば企業経営の中で重視すべき方向性をより明確に示唆
していますが、あくまでも環境・社会・ガバナンスの方向性のみで企業
活動に直結するものではなく、各社対応に苦慮しているのが実際ではない
でしょうか。


調達購買業務においても環境・社会・ガバナンスを考慮した調達購買を進
めていく必要があります。こうした調達購買活動はESG調達と呼ぶのが正
しいのかもしれませんが、頭文字にしてしまうと何を目指すのかが分かり
にくくなってしまうので、現在は環境・ガバナンス対応も含めて地球環境・
社会に対して責任のある調達購買を進めるという意味で社会的に責任のあ
る調達と呼んでいます。


社会的に責任のある調達を進めるには先に挙げた対応すべき項目が多岐に
亘る・公益的な目標で企業活動に直結しないといった課題がありますので、
調達購買業務においてそれらに対応するには、
1) サプライヤ・品目選定において環境・社会・ガバナンスの各項目につ
いての要件を明確にする
2) それらの要件において定性的なものは最低限貴社として遵守すべき足
切項目とするのを推奨
3) 各サプライヤ・品目での取引において環境・社会・ガバナンスの各項
目の中で特に重視するものを絞りこみ、それら項目については継続的改
善を進める
というのが良いと考えます。


2022.12.30

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