vol.83「中国政府/ ハイテク製品での外資排除を拡大」
vol.83「中国政府/ ハイテク製品での外資排除を拡大」
【今週のトピックス】
「中国政府は業界ごとに製品の技術などを定める『国家標準』で、ハイテ
ク製品での外資排除を拡大する。中核部品を含めて中国で設計、開発、生
産をするよう求める。外資企業は中核技術を渡すか、中国市場から事実上
撤退するかの判断を迫られる。
中国の国家標準を手掛ける国家標準化管理委員会と品質管理を担う国家市
場監督管理総局が4月、複合機やプリンターなどのオフィス機器を対象と
した国家標準を刷新する検討に着手した。今年中に意見募集案を策定し、
2023年の実施を見込む。将来はパソコンやサーバーにも広がる可能性があ
る。
検討の草案によると、半導体やレーザー関連などの中核部品を含めた中国
国内での設計、開発、生産を新たに要求した。従来は情報漏洩の防止など
の安全技術が柱だったが、中国で完結するサプライチェーン(供給網)の
構築を求めた。
通信や情報サービス、エネルギー、交通、金融などの重要情報インフラ企
業は国家標準に適合した製品のみを購入することが義務付けられる。」
出所)「中国、ハイテクで外資『排除』」『日本経済新聞』2022年7月6日
朝刊15面
今回のケースは営業サイドの話ですが、製品に組み込まれる中核部品を含
めたサプライチェーンを規制するものですので、当然、これらに関わる調
達・サプライチェーンマネジメント業務に影響が出て参ります。
また、現時点ではハイテク製品に限定した話ですが、これまでの中国政府
の動きや中国を巡る国際関係の状況次第では、今後中国がサプライチェー
ンにどういった形で制限を掛けてくるか不透明なため、どういった品目に
こうした動きが広がるか分かりません。
サプライチェーン寸断リスクを考えると、何れの品目であっても、中国を
中心とした強権国家市場向けとそれ以外の市場向けの二つのサプライチェー
ンを調達サイドでは持つ必要があると弊社では考えます。
2022.7.29