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vol.164「データで暴く!サプライヤの談合」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】  入札データからサプライヤの談合を暴ける時代になりました。例として、京都大学大学院経済学研究科の中林純教授(当時、近畿大学経済学部准教授)、東京大学大学院経済学研究科の川合慶教授(当時、カリフォルニア大学バークレー校助教授)が2019年2月に行った調査があります。 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.164「データで暴く!サプライヤの談合」

 

【今週のトピックス】

 
入札データからサプライヤの談合を暴ける時代になりました。例として、
京都大学大学院経済学研究科の中林純教授(当時、近畿大学経済学部准教
授)、東京大学大学院経済学研究科の川合慶教授(当時、カリフォルニア大
学バークレー校助教授)が2019年2月に行った調査があります。


この調査では統計的手法で談合への関与が疑われると特定した約120社の
建設会社に公表済みの入札データから談合を見破る統計的手法の認知度等
を尋ねるアンケート調査への協力を求める依頼文を送付。ランダム化比較
試験として同じく談合の疑いがあると特定した別の約120社にはアンケー
ト調査への協力依頼を送らず、警告の有無による効果を統計的に検証した
ものです。


談合の疑いを抽出する方法は入札データを活用し落札者とその他入札参加
者との間で総合評価値と入札額それぞれの乖離度合を見るものです。入札
が競争的であれば、総合評価値が僅差で落札できるかどうかは偶然と考え
られ、例えば、2社の総合評価値が同じだと仮定した場合、片方の入札金
額が高くなる確率は半分になると考えられます。仕事をどうしても受注し
たいサプライヤであれば、技術評価点で他社に劣る懸念のある場合は他社
よりも低い入札金額を提示するからです。しかし、談合に参加しているサ
プライヤは、総合評価値が僅差であっても落札した会社よりも常に高い金
額を提示しているという傾向が見られます。入札が競争的であれば生じ得
ない現象で、こうした傾向がみられる場合に談合への関与の疑いが浮かび
上がります。


この調査では、アンケート依頼を送った企業は談合の事実が社内で認識さ
れて対応を取ったためか、その前後で入札行動に差が見られました。一方、
依頼を送付しなかった企業は、送付の前後での入札行動に変化は見られず、
総合評価値と入札額それぞれの乖離度合を見るこの手法が談合を見破るの
に有効である事を示しています。


今後の調達購買ソリューションにおけるAIの活用で、AIが談合を見抜く様
になっていくと考えられます。
出所)佐藤 斗夢「入札データで談合を見破れる時代、発注者が警告で阻
止する第3の抑制策」『日本XTECH』2024年3月21日
(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/ncr/18/00212/031300005/
閲覧日:2024年4月4日)


2024.4.5

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