logo

ナレッジ

vol.160「DNP/ 宅配伝票を樹脂から紙に」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】  「大日本印刷(DNP)は複数の宅配便を送る際に使う紙製の手書き伝票の供給を始める。広く使われている樹脂製からの切り替え需要を狙う。伝票の製造から廃棄までの温暖化ガス排出量を約40%減らすことができるといい、まずヤマト運輸が採用した。(中略) 宅配便では2つ以上 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.160「DNP/ 宅配伝票を樹脂から紙に」

 

【今週のトピックス】

 
「大日本印刷(DNP)は複数の宅配便を送る際に使う紙製の手書き伝票の
供給を始める。広く使われている樹脂製からの切り替え需要を狙う。伝票
の製造から廃棄までの温暖化ガス排出量を約40%減らすことができるとい
い、まずヤマト運輸が採用した。(中略)


宅配便では2つ以上の荷物を同じ住所に送る際、専用伝票を使う。複数枚
をひとまとまりにした複写式で、住所などを記入した後にはがして荷物ご
とに貼り付ける。はがす際の破れを防ぐために紙より強度の高いポリエス
テル製フィルムを使うのが一般的だ。


DNPは紙や接着剤の種類や構成を見直し、紙製でポリエステル製と同程度
の強度を実現した。価格は現行品と同水準を想定する。」
出所)「大日本印刷、宅配伝票を樹脂→紙製に」『日本経済新聞』
2024年1月5日朝刊3面(https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220720&ng=DGKKZO62740170Z10C22A7EA1000
閲覧日:2024年3月4日)


調達品の要件にESG要件が加わる様になっている事を示す事例です。温暖
化ガス排出量の削減に加えて、プラスチックはマイクロプラスチックによ
る海洋汚染が懸念され、素材をプラスチックから紙や木材等の別のものに
代替する動きが出ています。


元々、この伝票にポリエステル製フィルムが使われる様になったのは、記
入後にはがして荷物に貼り付ける際にやぶれてしまうのを防ぐためで、必
要にかられての素材選択でした。


とはいえ、近年のESG経営の高まりにおいて、それへの対応という新しい
要件が生じているのも事実です。調達品の選定はQCDMの四つの観点から行
われます。弊社ではESG要件をMのマネジメント要件として新しく重視され
る様になった項目と整理しています。幾らESG要件が重視される様になっ
てきたとはいえ、求められる他のQCDM要件を満たさなければその製品は採
用されず、広く普及していきません。


今回のDNPの伝票のケースでは強度ならびに価格の何れもは従来のポリエ
ステル製フィルムと同等で、更に温暖化ガス排出量やプラスチック使用量
の削減といったESG対応という新しい価値が加わっている事から、買い手
企業に訴求がしやすく、普及が進むのではないでしょうか。


2024.3.8

©2024 Samurai Sourcing, Inc.  All rights reserved.