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vol.116「トヨタでも真の調達購買が必要な時代に」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】 「『欲しいものをすぐに手に入れられる時代は終わった』。トヨタ関係者は危機感を強める。調達本部本部長の熊倉和生は『(一部半導体で)車向けの供給が優先されない』と認める。」出所)「トヨタ 難路を行く2『車向け半導体、優先されない』」『日本経済新聞』2023年3月15日朝刊2面 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.116「トヨタでも真の調達購買が必要な時代に」

 

【今週のトピックス】


「『欲しいものをすぐに手に入れられる時代は終わった』。トヨタ関係者
は危機感を強める。調達本部本部長の熊倉和生は『(一部半導体で)車向
けの供給が優先されない』と認める。」
出所)「トヨタ 難路を行く2『車向け半導体、優先されない』」
『日本経済新聞』2023年3月15日朝刊2面


現在も半導体の調達に苦労している事を受けてのトヨタ関係者のコメント
です。特に利益率の低い古い型の半導体の調達に苦労している様です。こ
こからトヨタですらサプライヤと対等の関係になりつつある材カテゴリー
が出てきている事が伺えます。


これまで特に日本のサプライヤに対しては買い手は絶対、神様であり、そ
の立場を利用して強引にコスト削減を進めたり、供給難を乗り越えてきた
りしました。それでも日本経済が成長している時には取引関係を続けてい
けばサプライヤも売上を伸ばし採算を取る事ができたので、そうした関係
に我慢を続けていました。


しかしながら、日本企業の成長力が衰え、買い手企業の理不尽な要求を聞
いていては自社もじり貧となる中、サプライヤも個々の品目の取引毎の採
算管理を強める傾向となっており、コロナ禍で生じた供給難はサプライヤ
が買い手企業を選別する必要がある事をサプライヤが認識するのを加速し
ました。日本のサプライヤも急速に自社と買い手企業とは対等の関係であ
るべきで理に適った取引しかしないというものに態度を改めています。


これは調達購買担当者の受難の時代の到来でしょうか?弊社はそうは考え
ません。ようやく調達購買担当者が活躍できる時代が到来しつつあると考
えます。なぜならば、これまでは個々の調達購買担当者の能力に関わらず、
買い手企業の立場を利用すれば業務ができました。しかしながら、これか
らは調達購買担当者がサプライヤと取引できる予算・条件を取得し、サプ
ライヤに自社との取引がサプライヤにとってメリットがある事をきちんと
説明できなければ調達購買ができない、企業としての調達購買力を基盤と
した個々の調達購買担当者の能力差が調達購買業務の結果に如実に表れる
時代になったと言えるからです。


2023.3.24

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