vol.66「日本自動車部品工業会会長『カンバン方式見直す必要』」
vol.66「日本自動車部品工業会会長『カンバン方式見直す必要』」
【今週のトピックス】
「日本自動車部品工業会(部工会)の尾堂真一会長(日本特殊陶業会長)
は21日の記者会見で、『(在庫を極力持たない)カンバン方式は見直す必
要がある」と語った。』
出所)「部工会会長『カンバン方式見直す必要』」2021年12月22日、
電子版(https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20211222&ng=DGKKZO78649060R21C21A2TB2000
閲覧日:2022年1月28日)
供給難が起こる度にカンバン方式が問題の元凶とやり玉にあがります。果
たして、抜本的にカンバン方式そのものを捨てる生産モデルの見直しか、
供給リスクの高い一部部材についてのみ在庫を持つのみの修正とするのか、
トヨタの見解を伺いたい所ですが、弊社では後者になると考えます。
供給難に備え、サプライチェーン全体であらゆる原材料・部材の在庫レベ
ルを引き上げてしまうと、毎日の在庫管理費用が嵩む事となります。また、
商品のライフサイクルが短くなる中でサプライチェーン全体で在庫を抱え
てしまうと、機動的な商品の切り替えが難しくなり、機会損失・不良在庫
リスクを抱える事となります。これらの要素は製品コストを大きく押し上
げます。
そのため、こうした供給難にそなえ在庫を抱えるモデルは有効ではなく、
供給難の発生確率と供給停止による損失を掛け合わせた数字と、在庫保有
によるコスト増とを比較し、それが一致するギリギリの所での在庫保有が
正解になると考えます。
英国元首相のチャーチルであれば「在庫の極小化は最悪のサプライチェー
ンモデルといえる。これまで試みられてきた、在庫の極小化以外のすべて
のサプライチェーンモデルを除けばだが」と表現する所でしょうか。
2022.3.18