vol.60「VAIO/グローバルに個人向けPCの設計を共通化」
vol.60「VAIO/グローバルに個人向けPCの設計を共通化」
【今週のトピックス】
2014年にソニーから独立したパソコン(PC)メーカーのVAIOは2023年を
めどに世界で展開する個人向けPCの設計を共通化します。「VAIOは現在、
23カ国・地域でPCを販売している。開発する個人向けPCは、地域によっ
てPCの重さや端子の数が異なる。地域の特性に応じたPCを販売できるが、
部品調達に手間がかかったりブランドの統一感を出しづらかったりすると
いう課題があった。
設計を共通化すれば、一度に大量の部品を調達でき、コスト削減につなが
るほか、世界でブランドの統一感も出せる。共通化に向けて開発投資を始
めた。」
出所)「個人向けPC設計共通化へ」『日本経済新聞』、2022年1月14日
朝刊12面
グローバルソーシングを進めて行く上で当然の帰結と考えます。異なる原
材料・部品をまとめて調達するカテゴリーソーシングでもある程度の効果
は出せますが、設計を共通化する事で分散していた一品当たりの生産数量
が飛躍的に上がりますので開発・設計・生産の効率化・コスト低減につな
がります。
マーケティング上、地域の特性に応じた製品を開発する必要もあるかと思
いますが、ビジネスモデルに応じて、そうした需要には
1. その製品のターゲット需要ではないとして対応しない
2. 製品を幾つかのモジュールに分け、それらの組み合わせで対応するマ
スカスタマイザーションで対応
する事で、設計のグローバル共通化を進めて行くべきと弊社では考えます。
設計のグローバル共通化を進めて行くにあたりご留意頂きたいのは、ここ
で共通化すべきは仕様の共通化迄で決して品目・サプライヤの共通化では
無いという事です。なぜなら、商慣行や工場からの距離等により必ずしも
グローバルベストな品目・サプライヤがローカルベストとは限らないから
です。弊社ではトータルコストを最小化するグローバルサプライヤとロー
カルサプライヤとのMixが何れのカテゴリーでも最適と考えます。
世界各国の経済成長により世界的に中間層の市場が形成されつつあり、
iphoneやアパレルのZARAの様にグローバルにヒットする製品が登場して
います。そうした中で、グローバルに設計を標準化していく手法は今後ま
すます進んでいくと弊社では考えます。
2022.1.28