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vol.58「コストは市場で、価格は意志で」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】   「世界の株式市場で企業の「値上げ力」に注目した選別が進んでいる。原料費や人件費などのコストの上昇を、製品やサービスに転嫁し競合に比べ高い利益率を保てる企業への評価が高い。物価高は企業全体では利益の圧迫要因となりかねず、投資家はインフレへの対応で企業の実力を見 ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.58「コストは市場で、価格は意志で」

 

【今週のトピックス】

 

「世界の株式市場で企業の「値上げ力」に注目した選別が進んでいる。原
料費や人件費などのコストの上昇を、製品やサービスに転嫁し競合に比べ
高い利益率を保てる企業への評価が高い。物価高は企業全体では利益の圧
迫要因となりかねず、投資家はインフレへの対応で企業の実力を見極めよ
うとしている。


『メニュー値上げが大きく寄与した』。米外食チェーンのチポトレ・メキ
シカン・グリルが7月20日、市場予想を上回る2021年4~6月期決算を発表
すると、翌21日の株価は12%高と急騰した。人件費の上昇を受けて6月に
メニュー価格を平均4%引き上げた。


その後も株価は堅調で、9月13日時点で6月末に比べ20%上昇している。同
期間の米S&P500種株価指数の上昇率(4%)を16ポイント上回る。


米マイクロソフトが8月19日に業務ソフトの『オフィス365(現マイクロ
ソフト365)』の法人価格を引き上げると発表すると、翌20日に株価は3%
上昇した。法人は個人に比べ値上げを受け入れやすく、業績の拡大につな
がると好感された。」
出所)「投資家『値上げ力』見極め」『日本経済新聞』、2021年9月15日、
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210915&ng=DGKKZO75754000U1A910C2ENG000 閲覧日:2021年12月10日)


コストは市場で決まりますが、価格は意志で決まります。なぜなら、
価格=コスト+利益ですので、価格にはコストにマージンが加わっている
からです。BtoCの場合、マージンは売り手のこの取引で幾らの利益を上げ
るという意志で決まると言えるでしょう。


その意思を貫くには乗せた利益の分を上回る価値を買い手に認めてもらう
必要がありますが、BtoCでは商品や販売方法に様々な工夫をこらす事によ
り、その意思を通す余地が非常に大きいので、BtoCの場合は売り手の意志
で価格が決まると言えるでしょう。


今回のケースの様に株式市場で値上する力のある企業の評価が高まる事は
容易に推測されます。それは値上げにより単純に利益率が改善するからと
いう事ではありません。値上げにはそれを買い手が受け入れず離反してし
まい、売上・利益減少につながるリスクがあります。顧客が値上げを受け
入れるという事は、その企業が買い手により高い価値を認めさせる商品を
生み出す力や販売力があるという事を示しているからです。


BtoBの場合には、マージンは、売り手のこの取引で幾らの利益を上げると
いう意志と、買い手のいかにコストに近い形で調達するかという意志との
ぶつかり合いで決まります。米マイクロソフトがマイクロソフト365の法
人価格を引き上げに成功できたのは、代替の利かない製品サービスを提供
する事で市場競争から抜け出す事に成功したからと言えるでしょう。売り
手の意思が買い手の意思を上回ったケースです。


我々、買い手企業としては、こうした売り手の意志に屈せぬ様、いかに汎
用製品・サービスで自社の製品・サービスを組み上げ、あらゆる支出にお
いて可能な限り調達市場を形成する事に腐心する必要があります。


2022.1.14

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