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vol.103「鹿島建設 天野社長/ 作業員不足に『調達を含めて見直す必要がある。』」

週刊 戦略調達
  【今週のトピックス】 「全国で300万人強の建設作業員のうち、65歳以上が53万人を占める。今後10年で6分の1がリタイアする一方、若い人の入職がそれほど増えるとは思えない。外国人の作業員は一時は10万人を超えていたが、コロナ禍で減り、円安で賃金の魅力も薄れている」 「機械化や作業効率化で乗り ...
当社は支出管理(スペンドマネジメント)・戦略調達(ストラテジックソーシング)・最適購買を支援するソリューション群ならびにこれら業務のマネジメントノウハウと中国・アジア・米国・欧州・中南米をカバーするグローバルソーシングネットワークとを基に1)支出管理並びに調達購買マネジメントのアウトソーシング 2)支出管理・調達購買関連システム導入 3)貴社のグローバル最適購買実現などの支出管理・調達・購買・SCMに関わるプロフェッショナルマネジメントサービスを提供しています。それらのサービスを通じて貴社の「最善の支出管理・調達・購買」を実現することにより、調達購買コスト・物流費用・経費の削減や外部支出ならびにサプライチェーンマネジメントに対する効果の最大化による貴社の競争 ...

vol.103「鹿島建設 天野社長/ 作業員不足に『調達を含めて見直す必要がある。』」

 

【今週のトピックス】


「全国で300万人強の建設作業員のうち、65歳以上が53万人を占める。今
後10年で6分の1がリタイアする一方、若い人の入職がそれほど増えるとは
思えない。外国人の作業員は一時は10万人を超えていたが、コロナ禍で減
り、円安で賃金の魅力も薄れている」


「機械化や作業効率化で乗り越えるしかない。工場生産の部材を現場で組
み立てるなど、人手をかけない工法の技術開発が欠かせない。建築の仕上
げは人の手をかけるほど高級感が出るものだが、工業製品の仕上げ材に切
り替えてもそれを維持できるよう、調達を含めて見直す必要がある」
出所)「月曜経済観測」『日本経済新聞』2022年12月19日3面


上記は建設市場の先行きに関するインタビューの中で高齢化や人手不足へ
の対応について聞かれた時の鹿島建設 天野裕正社長の答えです。円高で
外国人作業員の確保が難しくなる事もあり人手不足が中期的には続きそう
です。そのため、これまで人手を掛けていた仕上工程を調達品の仕上材料
に置き換えるという考え方を示しています。


こうした経営環境の変化に対応するための迅速なサプライチェーンの組み
替えは調達業務が貴社にもたらす大きな価値の一つと筆者は考えます。サ
プライチェーンの組み替えが必要となる様な大きな変化の場合、工程や原
材料・部品を内製化していると、内製工程の能力や固定費の問題もあり、
なかなかそうした変化への対応を取る事ができません。


それらを調達している場合には、内製化している場合と比し、新しい要件
を高いレベルで満たすサプライを迅速にサプライチェーンに組み込む事が
可能です。こうしたサプライチェーンのデザインの自由度が調達の価値の
一つのため、仕様作成能力のサプライヤへの依存・サプライヤの過半の取
引が貴社等のサプライヤの貴社への過度の依存・サプライヤへの出資等の
サプライヤ切替の自由度を下げる様な行為は基本的には避けるべきです。


サプライチェーンの組み替えが必要となる様な変化は、現在、建設業界に
限らずどの業界の企業でも直面している課題です。そして、価格の高止ま
りや天災・withコロナ・米中経済対立等のサプライリスクの高まりと要因
の増加や脱炭素・人権尊重等のESG経営へのシフトなど対応しなければな
らない経営環境の変化の種類が多岐に亘ってきています。


各企業によってどの変化への対応を優先するかは異なります。貴方におか
れましては貴社の課題は何か、お客様・経営陣がそれらの対応優先順位を
どの様に考えているかを見極め、優先順位の高いものから取組を進めてい
く必要があります。


来年も調達購買部門は忙しくなりそうです。


2022.12.23

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