vol.90「実のある調達購買業務には調達購買のデジタル化から」
vol.90「実のある調達購買業務には調達購買のデジタル化から」
【今週のトピックス】
「米航空宇宙局(NASA)などが昨冬に打ちあげた巨大な宇宙望遠鏡『ジェー
ムズ・ウェッブ(JWST)』の観測画像を初めて公開した。画像は極めて
鮮明で、既存の宇宙望遠鏡の100倍とされる能力を存分に発揮。(中略)
遠い銀河や恒星の観測に詳しい大栗真宗千葉大学教授は『これまで観測で
きなかった遠い銀河の細かい構造まで見えていて、予想以上にすごい』と
話す。画像だけでなく、同時にデータが公開された銀河の光を詳しく分析
したスペクトルも重要だ。スペクトルから銀河にどのような元素が含まれ
るかなどが分かるが『今まで見えなかったものが、はっきり見えた』と大
栗教授は驚く。(中略)
太陽系外惑星『WASP-96b』はスペクトルのデータだけが公開された。ス
ペクトルを調べることで大気にどのような成分が含まれているかがわかり、
今回は水が存在することが確認された。太陽系外惑星に詳しい成田憲保東
京大学教授は『従来より観測できる波長の幅が広がり、精度もよくなって
いる。詳しく解析するとメタンなど水以外も見えているのではないか』と
話す。」
出所)「『最初の星』に迫れ 『性能100倍』宇宙望遠鏡の画像公開」
『日本経済新聞』2022年7月20日 (https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220720&ng=DGKKZO62740170Z10C22A7EA1000
閲覧日:2022年9月14日)
調達購買業務も現状が見えないと何も始まりません。例えば、コスト低減・
カテゴリーマネジメント・調達戦略策定には何を誰から幾らで買っている
のかをまずは知る必要があります。会計の勘定科目レベルでの製造経費が
幾ら・補修費が幾ら・業務委託費が幾ら・広告宣伝費が幾らといった情報
では調達活動は始められません。
購買統制も同じで契約購買比率がどれ位なのかといった数字が必要です。
サプライリスクマネジメントや社会的に責任のある調達の推進には各サプ
ライヤのBCPやESG経営への対応状況がどうなっているか把握する必要が
あります。
サプライヤのパフォーマンス改善には各サプライヤのQCDMの評価がどう
なっているのか、調達購買業務の改善には要求元の調達依頼から選定結果
通知迄・契約雛形発行から締結迄・購買申請から発注迄といった各業務の
サイクルタイムや掛かっている社内工数を把握する事でどこに課題がある
のかを明らかにする必要があります。
こうした情報を取得するには宇宙望遠鏡ではなく、調達購買業務ならびに
支出・BCPやESG対応調査票等のサプライヤからの提出情報・サプライヤ
の評価情報等のデジタル化が必要です。実のある調達購買業務を進めてい
くには調達購買のデジタル化が始まりとなります。
2022.9.16