vol.68「テレワークを妨げる三つの原因」
vol.68「テレワークを妨げる三つの原因」
【今週のトピックス】
日経BP総合研究所イノベーションICTラボが2021年10月に実施した「働
き方改革に関する動向・意識調査」によると、テレワークを利用していな
い理由の首位は「同僚(上司や部下を含む)や取引先、顧客と直接対話し
たいから」「職場(または派遣・常駐先)で扱う帳票や文書の電子化が進
んでいないから」「出社することでON/OFFを区分し、心身を仕事モードに
切り替えたいから」の3つが回答の22.1%で並びました。
一方で、「勤務先(または派遣・常駐先)がテレワークに必要なITシス
テム・インフラを整えていないから」は2020年4月の同調査では回答42.4%
を占めましたが、2021年10月調査では10.4%と32ポイント減っています。
この1年半でテレワーク向けの従業員の勤務環境の整備が進んだ事が伺え
ます。出所)大和田 尚孝「働き方改革を阻害する3大要因、解決が最も
遠い『あの問題』」日経BP総合研究所イノベーションICTラボ、2022.01.12
(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01856/010600010/?P=2
閲覧日:2022年2月20日)
上記の内、相手と直接話したいと出社することでON/OFFを区分し心身を
仕事モードに切り替えたいとは心の持ち様の問題で無いものねだりと考え
ます。コロナ禍もあり、ここ2年でテレワークは急速に広まっており、貴
社が実施していないくても、サプライヤはテレワークを実施しているとい
う場合は多々あります。また、サプライヤが海外の場合には、まだまだ気
軽に出張して対面での打ち合わせを行うというのは容易ではありません。
コロナ禍も未だに収束の気配は無く、変異株の流行による感染の拡大で、
再び貴社や相手方の方針で強制的に対面での打ち合わせが一切禁じられる
という事態も想定されます。
この様に考えると、対面での対話ができない事を想定し、web会議での打
ち合わせに慣れていくしかないかと考えます。個々人の受け止め方の問題
はありますが、ビデオチャットを使えば相手の表情も見え、ほぼ対面での
打ち合わせに代替できると弊社では考えます。またweb会議での打ち合わ
せには打ち合わせの移動時間を無くすという大きなメリットがありますの
で、そのメリットを大いに享受すべきと考えます。
出社することでON/OFFを区分し心身を仕事モードに切り替えたいという
点につきましては、今後も出社ができない時が出て来ると考えられますの
で、自分なりの気持ちの切り替え方法を確立しておく必要があります。現
在はこうした需要を見越して、企業側で個室スペースを用意する所も出て
きていますので、そうした環境を提供している会社に属されている方はそ
れらを利用するのが一つの手でしょう。そうした制度が無い企業の方々の
場合には、個人でそうした環境を整えるしかありません。しかしながら、
自宅にミニ書斎を設ける事ができるキットや個人用テレワークブース提供
サービス等が手軽な価格で色々と出回っていますので、環境を整えないと
気持ちの切り替えができないという方にはそれらを利用される事をお勧め
します。良い仕事をするための投資と考えれば費用対効果は大きいと考え
られます。また、こうした環境を自宅ないしは自宅の近くに設ける事で、
通勤時間を大幅に削減できるというメリットもあります。
「職場で扱う帳票や文書の電子化が進んでいないから」は企業側の問題で
す。子供がいる家庭等、柔軟な働き方を求めるスタッフは増えています。
企業側も平時は毎日をテレワークとする必要はありませんが、月の何日か
はテレワークを従業員が選択できる様にし、スタッフのテレワークを前提
とした業務環境・プロセスの構築が今後は不可欠と弊社では考えます。本
来であれば、上記のテレワークに掛かる経費は必要経費として企業が負担
すべきものと考えます。テレワークの推進により通勤交通費・出張旅費や
オフィススペースを削減している場合には賃料も大きく削減されています
ので、新たにテレワークで生じる経費についてはそれらで十分に賄う事が
できるでしょう。スタッフが良い仕事をできる様に環境を整えるのは企業
の責任であり、良い人材はそうした点に配慮できる企業に集まる様になる
と弊社では考えます。
2022.4.1