ナレッジ  » 週刊 戦略調達 vol.58 2010.5.18

【週刊 戦略調達 vol.58 2010.5.18】
サプライヤ丸抱えにNo! ヨルダン政府、韓国電力公社案を拒絶

【申し込みが30社を突破!ストラテジックソーシングベンチマーク調査と
「ストラテジックソーシングスコアカードの活用で、調達・購買部門のベ
ストプラクティスを取得」勉強会のご案内】

弊社では、先般ご案内した通り、調達・購買業務のあるべき姿と日本の現
状、各社様の状況を明らかにする目的で、戦略調達(ストラテジックソー
シング)スコアカードを開発し、現在、この戦略調達スコアカードを用い
て、幅広い規模・業種を対象としたベンチマーク調査を実施しています。

既に、30数社以上から申し込みを頂いていますので、面白い集計、分析が
できる手ごたえを感じておりますので、是非ご参加頂きたく、よろしくお
願い申し上げます。

参加手順は、まず、お名前、所属企業・団体でのメールアドレス、貴社名、
部署名、電話番号を明記の上、タイトルを「戦略調達ベンチマーク調査申
し込み」として、このメールへの返信で構いませんので弊社宛にご連絡下
さい。折り返し、弊社より、ベンチマーク調査票とその後手順につきご案
内申し上げます。2010年7月を目処に、集計・分析結果を調査参加者に配
布する予定です。

提出頂いた内容は、調査の集計・分析に活用されるのみで、個別に外部に
公表することは決してありません。もしご要望があれば、守秘義務契約を
締結させて頂きます。

戦略調達スコアカードならびにベンチマーク調査の詳細は
http://www.samuraisourcing.com/service/benchmark.html をご覧下さい。

また、この度、このストラテジックソーシングスコアカードを用いて、調
達・購買業務のベストプラクティスは現在どのようになっているのか、貴
社がどの辺りにあるのか、それをベストプラクティスに近づけていくには
どのようにすればよいのかを自己評価する方法を研鑽する「ストラテジッ
クソーシングスコアカードの活用で、調達・購買部門のベストプラクティ
スを取得」勉強会を開催します。

■開催日程:6月2日(水)19:00~21:00
■アジェンダ概要:

1.戦略調達・ストラテジックソーシングとは

2. 戦略調達スコアカードの裏にあるフレームワークと、診断結果のサン
  プルレビュー

3.各23診断項目の解説と改善アプローチ
1) 全社的な調達戦略と調達機能の確保
2) 材別の調達戦略の立案能力と実行力
3) 調達の成果を上げるための手法
4) IT・ツールの活用

4. 勉強会参加社者の回答集計などを用いた診断結果の読み取り

5.戦略調達スコアカードの応用的利用方法

※アジェンダは状況により多少変更する場合がございます。悪しからずご
了承ください。
        
■開催場所:PE&HR社 hanzomon office(INSIGHT NOW!セミナールーム)
東京都千代田区麹町1-12-12 HOMAT hanzomon 4階
(東京メトロ半蔵門駅徒歩2分)
http://www.insightnow.jp/blogs/id/52

■参加料金:
・モニター特別価格:8,000円(税込)
・インタビュー掲載ご了承価格: 6,500円(税込)
【通常価格:15,000円(税込)】

■勉強会参加者特典

本勉強会の参加者の方々には、戦略調達ベンチマーク調査の参加者同様、
7月に配布を予定されているこの調査の集計・分析結果をもれなくお届け
しますが、それだけではなく、本勉強会参加者の方々限定の以下の特典
をご用意していますので、是非、ご参加頂ければと存じます!

・自主改善に必要となるスコアカードの構築フレームワーク
・調達・購買部門360度評価などのスコアカードの応用的利用方法
・希望される時には、弊社による貴社のスコアカードの総合評価、改善
方法の無償アドバイス

■詳細ならびに申し込み方法:
勉強会の詳細の確認と申し込みはこちら⇒
https://www.insightnow.jp/communities/application/71

(※webメディアのINSIGHT NOW!様主催のため、参加にはこちらへのユー
ザ登録(登録無料)が必要となります。)  

当調査や勉強会に関する質問などがございましたら、このメールへの返信
で構いませんので弊社宛ご連絡下さい。

※尚、今回の調査ならびに勉強会は、所属企業・団体の調達・購買・物流
関連業務に携わっている方向けに行っているため、企業・機関・団体様を
特定できない場合や、コンサルティング会社、ソリューション提供会社な
ど同業他社様からの申し込みにつきましては、お申し込みをお断りさせて
頂く場合がございますこと、ご了承願います。
    
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【今週のトピックス】

ヨルダン政府は、現在進めている原子力発電所のサプライヤ選定において、
韓国電力公社が韓国政府とともに進めていた提案を拒絶すると発表しまし
た。

韓国は昨年末、アラブ首長国連邦(UAE)より、一貫して建設する手法で、
同国の原子力発電所の建設を受注しており、同じ手法で大型契約の連続獲
得を狙っていました。(出所:日本経済新聞 2010年5月14日 9面)

韓国の提案は「一括発注」と呼ばれる方法です。発注側から見れば、一社
に任せてしまえば、後の細かいことは発注先がやってくれるので、楽がで
きます。

技術的に複雑で、設計や製造、施工などの各工程間の綿密な擦り合わせが
必要な案件では、一括発注が適している場合があります。

原子力発電所の建設は高い技術力が必要な案件のように思われます。また
発注側の手間も省けるのであれば、なぜ、ヨルダン政府は、韓国の一括発
注の提案を拒絶したのでしょう?

記事によると、ヨルダン政府は、原子炉やタービンなどの基幹設備を分割
して国際競争入札を実施することを考えており、この点で韓国側と調整が
つかなかったとのことです。

ヨルダン政府が考えていることは「分離発注」です。分離発注は、一つの
案件を工程や技術構成毎に分けて発注する方法です。競争活性化やリスク
マネジメントの目的で一つの案件を分けて発注する「分割発注」と混同さ
れがちですが、それぞれ目的が異なります。

なぜ、ヨルダン政府は手間が掛かり、技術的にも難易度が高くなる分離発
注を考えているのでしょうか?

それは、分離発注が、一括発注に比べさまざまなメリットがあるからです。
まず、競争が活性化され、技術・品質的にも、価格的にもより良い取引先
を選べる可能性が高まります。一括発注では、設計と製造、施工もしくは、
あらゆる技術分野に対応できるサプライヤが求められるので、自ずとサプ
ライヤが大手企業などに限定されてしまいます。しかも、多くの技術分野
で専門化、高度化が進む中で、たとえ業界No.1企業であっても、あらゆる
分野でトップでいるというのは無理な話で、部分々々でサプライヤに妥協
しながらの取引になります。

分離発注であれば、たとえ、中小企業であっても、一つの分野に精通して
いれば活躍の余地が生まれ、発注側は、より多くのサプライヤ候補の中か
ら選ぶことが可能になります。また、中小企業の中には、一つの分野に特
化することで、その分野では大手企業に負けない、いや、それをも凌駕す
る技術力、品質、価格競争力を有するものが多くあります。

次に、分離発注は、各工程、技術分野における透明性、発注側のコントロー
ルを高めることにつながります。一括発注では、一式表示で見積明細がな
かったり、見積明細があっても、出精値引きで帳尻だけ合わされ、各項目
のコストは正確なものが分からないままというのも少なくありません。

一括発注では、受注企業が外注を使うことが少なくありません。その時に
は、外注のコントロールは受注企業が行ないます。そのため、各分担毎の
作業、成果の内容が、発注企業からは見えにくくなってしまいます。元請
企業が下請けの買い叩きを行なっていると、ひどい時には、下請けの手抜
きにつながってしまいます。

このように、言われている程、一括発注だからといって品質が良いものが
できるとは限りません。品質管理で一括発注が優れているとすれば、文句
を言う先が一箇所で済む位です。ただ、本来は、注文通りのものができ上
がり、文句を言わずに済むことの方が先決ですが、分離発注と一括発注で
は、それぞれに一長一短あり、どちらが良いでき上がりにつながるかとい
うとどちらとも言えません。最終的には、いずれの方法であっても、全体
の取りまとめを行なう者の力量によります。

分離発注のデメリットとして、よく各工程、技術分野毎の管理が煩雑にな
り、取引コストが掛かると言われますが、これについても、どちらとも言
えません。一括発注では、この管理の部分を発注先に任せます。一括発注
といえども、管理自体はなくならず、発注先の見積の中に、必ずこの費用
が含まれています。また、分離発注では、マネジメントの能力が貴社にな
ければ、その部分にマネジメント会社を起用する方法もあります。要は、
貴社と一括発注先、外部マネジメント会社のいずれが効率的にこのマネジ
メントを行なえるか、そのコストを発注側が正しく査定できているかの問
題です。

一括、分離、分割、分離分割発注の何れが適しているかは、その調達案件
における貴社の短期、長期の目標、調達材の貴社での位置づけ、貴社、サ
プライヤの能力などによって案件毎に異なりますが、調達案件の進め方は、
基本的には、分離分割発注を前提に調達案件を進めるのが最善です。分離
分割発注を前提に仕様を作っておけば、分離や分割していたものをまとめ
て他の発注方式で発注した時にどうなるのかということも検討した上で、
最善の調達戦略を決定できますが、他の発注方式を前提とした仕様では、
それ以外の発注方式での調達結果についての検討ができません。

それでも分離分割方式での発注があまり進まないのは、その時選んだ別の
発注方式が正しいからではなく、分離分割発注を進めるだけの能力が発注
側にないか、その調達材が貴社にとって取るに足らないもので、調達にあ
まり力を掛けなくてよいと考えているかの何れかケースが殆どです。

こうした調達案件の進め方の検討は、弊社で言うところの、「調達案件戦
略」の議論になります。調達戦略がどのサプライヤからどうやって買うか
を定めるのに対し、調達案件戦略は、どうやってサプライヤを選定するか
を決めていくことにより、選べる調達戦略の幅を定めます。戦略論や、意
思決定論、ファイナンス理論の何れにおいても、代替案のオプションが多
い選択肢ほど価値があります。

調達戦略の考え方はだいぶ浸透してきましたが、調達案件戦略という考え
方はまだまだこれからです。調達戦略も大事ですが、それ以上に、どうやっ
て取引する企業を選定するプロセスを進めるかの調達案件戦略の方が、選
べる調達戦略の取引の成果を大きく左右すること、選べる調達戦略の幅を
広げるような調達案件戦略が優れた調達案件戦略であることを、これを機
会に頭に入れておいて頂ければと存じます。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

確かに、分離分割発注は手間が掛かりますが、その分だけ、調達の成果も
非常に大きくなります。また、難しいといって避けてばかりいては、いつ
までたっても、必要な能力が身につきません。

今回のケースでヨルダン政府が韓国側の提案を毅然とした態度で拒絶した
のは、たとえ難しくても、原子力発電所の建設は重要な案件であり、必要
な調達・購買能力を確保していこうというヨルダン政府の強い意志の現わ
れと受け止められます。(山本)

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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
 www.samuraisourcing.com
■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
■ご意見、ご感想、お問い合わせは ms1@samuraisourcing.com
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