ナレッジ  » 週刊 戦略調達 vol.54 2010.4.20

【週刊 戦略調達 vol.54 2010.4.20】
苦しい時こそ筋を通す、大規模リコールを巡るトヨタのサプライヤ対応

【ストラテジックソーシングベンチマーク調査へのご参加のお願い】
    
弊社では、この度、調達・購買業務のあるべき姿と日本の現状、各社様の
状況を明らかにする目的で、戦略調達(ストラテジックソーシング)スコ
アカードを開発しました。また、現在、この戦略調達スコアカードを用い
て、幅広い規模・業種を対象としたベンチマーク調査を実施しています。

当スコアカードでは、調達機能のあるべき姿を、全社的な調達戦略と調達
機能の確保、材別の調達戦略の立案能力と実行力、調達の成果を上げるた
めの手法、 IT・ツールの活用の四つの観点から、23の項目にまとめ、そ
れぞれにつき評価します。各評価項目は5段階評価となっており、それぞ
れの項目の各段階の状況がまとめられています。ですので、調査に参加す
るだけで、参加者の方が調達業務に必要な各項目のあるべき姿や、あるべ
き姿の段階的構築方法を把握できるものとなっています。

今回、この戦略調達スコアカードを用いて、企業規模や、業種、調達品目
を超えて、幅広い企業の調達機能の現状について比較可能な形で情報を集
め、日本の調達業務の現状を明らかにすると共に、参加者の方が日本全体
や業種の中での自社の調達機能の強弱の判断をできる情報の提供を目的と
したベンチマーク調査を実施しています。

今回の調査は、日本の調達業務の礎づくりという観点から、無料にて実施
しています。調査にご協力頂いた方には、漏れなく、調査・分析結果をま
とめたPDF資料をお送りします。また、当調査を、経営者、部門長、担当
者間での意識レベルの違いを明らかにする部門360度評価に使いたい時に
は、ご相談により、別途集計・分析などを行う形で対応します。

提出頂いた内容は、調査の集計・分析に活用されるのみで、個別に外部に
公表することは決してありません。もしご要望があれば、守秘義務契約を
締結させて頂きます。

参加手順は、まず、お名前、所属企業・団体でのメールアドレス、貴社名、
部署名、電話番号を明記の上、タイトルを「戦略調達ベンチマーク調査申
し込み」として、このメールへの返信で構いませんので弊社宛にご連絡下
さい。折り返し、弊社より、ベンチマーク調査票とその後手順につきご案
内申し上げます。2010年7月を目処に、集計・分析結果を調査参加者に配
布する予定です。

今回の調査では、参加された企業が調達・購買業務を行っていく上でのベ
ンチマーク、日本の調達業務の礎づくりにつながるものがご用意できたと
考えていますので、是非ご協力賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

当調査に関する質問などがございましたら、このメールへの返信で構いま
せんので弊社宛ご連絡下さい。

※尚、今回の調査は、所属企業・団体の調達・購買・物流関連業務に携わっ
ている方向けに行っているため、企業・機関・団体様を特定できない場合
や、コンサルティング会社、ソリューション提供会社など同業他社様から
の申し込みにつきましては、お申し込みをお断りさせて頂く場合がござい
ますこと、ご了承願います。

戦略調達スコアカードならびにベンチマーク調査の詳細は
http://www.samuraisourcing.com/service/benchmark.html をご覧下さい。
    
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【今週のトピックス】

内紛の噂まで飛び出してきたトヨタ自動車のリコール問題ですが、トヨタ
は、この難局を無事乗り切ることができると見られます。

何を根拠にこんなことを言っているかというと、それは、リコール問題が
拡大していく中での対象部品のサプライヤに対する対応です。

自動車部品を巡るリコールで記憶に新しいのは、2000年に行なわれたフォー
ドによるエクスプローラーに標準で装着されていたブリジストンファイア
ストンのタイヤ1440万本のリコールです。この時、

「問題は車ではなく、タイヤだ」

当時フォードのCEOであったナッサー氏は、この問題の非を一方的にブリ
ジストンファイアストンに一貫して押し付けました。当初、フォードと共
同でこの問題の解決を図ろうとしていたブリジストンファイアストンも、
フォードの一方的な対応に業を煮やし、2001年5月にフォードへのタイヤ
供給打ち切りを宣言します。業績低迷やタイヤ事故問題によるイメージ悪
化に伴い、2001年10月にナッサーCEOは辞任に追い込まれ、その後の裁判
でフォードエクスプローラーの設計上の欠陥が指摘されるなどした後、
2005年10月にファイアストンとフォードは、ファイアストンが約275億円
の和解金ををフォードに支払うことで、ようやく和解します。

この間、5年間もの月日が費やされましたが、リコールの原因となった事
故の原因はタイヤにあるのか、車両設計にあるのか特定されず、その間、
それまで100年続いていた両社の取引は停止されたままでした。

トヨタは、このケースに学んだのか、アクセルペダルが戻りにくくなる不
具合、プリウスのブレーキの不具合の何れにおいても、トヨタはこれまで
の所、サプライアに非を押し付けるのではなく、自社の設計の問題と発表
しています。それのみならず、アクセルペダルの部品サプライヤであるCTS
社について、その技術力、品質を擁護する発言やCTSとの取引を継続する
ことを明言するなど、非を押し付けるどころか、関係に配慮した発言を続
けています。

そうした姿勢が評価されてか、トヨタのリコール問題が取り沙汰された後、
1月に行なわれた米国の調達・購買担当者を対象とした調査では、トヨタ
のこのリコール問題により、取引先からのトヨタの評価は変わらないが57%、
取引先からの評価が上がるが14%、取引先からの評価が下がるが29%とな
り、取引先からの評価はあまり下がっていないことが伺えます。
(出所:Purchasing March 2010)

調査では、29%が取引先からの評価が下がると回答していますが、これは、
トヨタの対応に問題があったというよりも、消費者の製品メーカに対する
品質評価が下がることを懸念してのことと推察されます。それよりも、着
目すべきは、リコール問題の発生という評価が上がるべき要素のない中で、
14%の回答者が取引先からの評価が上がると回答していることです。それ
だけ、トヨタの今回のCTS社についての対応が公正であったと言えます。

トヨタの今回の対応は、今後の問題解決や中長期的な組織としての調達・
購買力の維持、改善にもつながります。問題解決は、そもそも、問題は何
かを正確に認識することから始まります。社内はともかく、対外的に問題
を安易にサプライヤに転嫁してしまったら、幾ら経営陣が社内に対して口
酸っぱく言っても、社内の技術者、担当者はこの問題はサプライヤのもの
として、真剣に取り組むことをせず、改善どころか、真の原因究明すらま
まなりません。

当然、その間、社内もサプライヤも責任のなすりつけ合いに陥り、不具合
の真因究明、改良は進みません。お客様や潜在顧客から見れば、部品サプ
ライヤに原因があるにしても、製品メーカにも設計、部品受入上の責任が
あると考えるのが普通ですので、その間の対応の遅れは、当然、製品メー
カの信頼の喪失につながります。フォードとブリジストンファイアストン
とのエクスプローラーのタイヤリコールをめぐる応酬が典型的な例です。

中長期的な組織としての調達・購買力の観点からは、フォードのブリジス
トンファイアストンへの対応、トヨタのCTSへの対応は、フォードとブリ
ジストンファイアストンとの関係、トヨタのCTSとの関係に留まらず、今
回のPurchasingの調査のように、フォード/トヨタ対全取引先との関係と
いう構図で、幅広い既存取引先や潜在取引先から評価されます。

もし、フォードやトヨタがリコールで陥ったような状況の中で、買い手企
業が自分の非を認めず、理不尽な対応をサプライヤに迫ったら、他の取引
先を有する技術力・競争力を持つ優良なサプライヤ程、そうした買い手か
ら離れ、そうした買い手に寄ってくるのは、他社と取引できない二流以下
のサプライヤばかりとなってしまいます。

今回のトヨタのような大規模な一般報道がなくても、サプライヤに対する
業界内での買い手企業の評判は、特に悪い噂は、すぐに広まります。意外
と業界の中の人脈はつながっているものです。

人も企業も苦しい時に本性が現われるものです。ベンチャー企業にいると
この言葉の意味がよく分かります。わたし達の力量不足もありますが、こ
れまで付き合いのあった人でも大半の方が自分の元から去っていきます。
お願いしても会ってもらえる数も減り、会えたとしても、自分達に関心を
示してくれる方の数も減ります。それでも、企業の大きさや器に囚われず
に、自分達の力量を正当に評価して下さる方も少なからずいるのも事実で
す。当然、こちらも、苦しい時に支えて下さっている方々に対しては、一
生何があっても仕えていこうと考えますし、相手が苦境に陥れば、そうし
た時こそ恩返しすべきと考えます。

買い手企業がサプライヤからこうした信頼を得ていれば、苦しい時ほど、
優良なサプライヤからよい提案が集まります。そうした意味から、今回の
トヨタの対応を見ていると、一部のマスコミ報道で言われているほど、ト
ヨタの屋台骨は揺らいでいないものと見られます。

苦しい時こそ筋を通す、トヨタのようなそうした姿勢を私たちも貫くべき
ものと考えます。

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をご記入の上、ms1@samuraisourcing.com 宛に、もしくはこのメールの返
信にてお申し込み下さい。

※当資料の配布は、調達・購買・物流関連業務に携わっている方向けに行っ
ているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、コンサルティン
グ業やソリューション提供業の方の申し込みについてはお断りさせて頂き
ます。ご理解ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

戦略調達ベンチマーク調査の件、より多くの方からご協力頂ければ頂く程、
よりよいものになりますので、何卒ご協力の程よろしくお願い申し上げま
す。

自分達なりには、しっかししたフレームワークに基づいた自信作です!

昨日から告知を開始したのですが、ありがたい事に、既に10数社からお申
し込みを頂いています。早速、問題なく回答頂いている方々もいらっしゃ
いますので、それほど負担も掛からない形にできあがっているかと思いま
す。

これで、ある程度の分析のベースはできたかと思いますが、私どもの希望
としては、目標は大きく、100社以上集めたいです。そうすれば、個々の
業種内での比較もできるようになってきますので。

日本の調達・購買業務の礎となるような情報を提供させて頂きたいと考え
ておりますので、応援よろしくお願い申し上げます!(山本)

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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
 www.samuraisourcing.com
■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
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