【週刊 戦略調達 vol.44 2010.2.9】
2009年週刊 戦略調達から2010年を展望する
【今週のトピックス】「週刊 戦略調達の2009年の記事を振り返り2010年を占う」記事投票にご
協力頂いた方、ありがとうございました。それでは、早速、投票結果の発
表と、2010年の調達・購買業務の行方について占います。
2009年を最も象徴している記事として支持を集めたのは、
【vol.38 2009.12.29】真似てはいけないトヨタの調達 (3票)
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/38.html
(投票理由不明)
です。
【vol.29 2009.10.27】バリューエンジニアリング(VE)をVEする
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/29.html
(投票理由)ありきたりの改善活動では行き詰っている各企業の様が感じ
取られた。
【vol.34 2009.12.1】値決めは交渉それとも市場連動方式のいずれですべき?
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/34.html
(投票理由)
「ここ数年の素材の乱高下により、調達環境が大きく変化し、営業戦略/業
績にも影響を与えている。特に原材料の比率が高い業界では、市場連動型
の価格へ転換が必要と判断するので。」
「交渉による決定はどこが限界なのか常に悩むところ」
が、それぞれ2票ずつ集め、同点2位となっています。
「真似てはいけないトヨタの調達」が支持を集めたのは、弊社の調達・購買
に対する思いが、皆様に伝わって、嬉しく思いました。
トヨタは、最近はリコール問題の対処にちょっと手間取っていますが、弊
社が申し上げるまでも無く、世界的にすばらしい会社です。ただ、やはり、
こと調達に限って言えば、トヨタは最後に参考にすべき会社です。
この記事では、調達業務の価値の源泉がどこにあるかを探ぐりましたが、
これが支持を集めたのには、経営陣を始めとして、調達業務の価値がどこ
にあるかが分からない方が多い事から、誤った方向性が示され、苦労され
ている調達・購買部門の方が多いからではないかと思います。
「週刊 戦略調達」では、2010年も「調達・購買業務とは一体どういう業務
なのか」「調達・購買業務の価値はどこにあるのか」という情報発信を重ね、
誤った理解のために現場が苦労するという事を防いでいきたいと考えます。
「VEをVEする」は、お客様の価値の捉え方が高付加価値(多機能)から高価
値に変わっている事に合わせて、VEもV(付加価値)= F(機能)/C(コス
ト)からV(価値)=F(機能)/C(コスト)の原点に戻し、機能を削って
コストを低減し価値を向上させるのもVEとして認めましょうという、これ
までのVEへの挑戦です。
現在の不況は、信用バブル崩壊による景気循環の側面もありますが、先進
国でのハーフエコノミーと、新興国、後進国の市場化、所得水準の向上と
いう市場構造の転換への対応の遅れという側面もあります。
市場構造の転換点では、読者の方がご指摘されている通り、「ありきたり
の改善活動では行き詰まり」を迎えます。2010年は、新しい価値観に基づ
いて、改善手法も抜本的に見直さなければいけない年と考えます。ニトリ、
ユニクロなどが、この転換を既に果たしている企業の典型例でしょう。
「値決めは交渉それとも市場連動方式のいずれですべき?」は、読者の方の
投票理由にある通り、調達交渉の結果評価の難しさや、投機マネー流入に
よる商品市況の変動幅の拡大で、これまでよりも基本契約による価格の安
定が難しくなっている所が支持を集めた理由でしょう。
資源の希少化を理由に、素材が全体的に長期的には上昇傾向にある一方で、
需要低迷を理由に、製品の価格が下方硬直化している中で、市場連動型の
値決め方式を導入していくには、営業とのセットで、事業の収益性をどう
確保していくかの経営レベルでの議論が不可欠でしょう。
投票全体の傾向として、トップ3の他にも、
【vol.7 2009.5.26 ソニー、調達先を半減】
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/7.html
(投票理由不明)
【vol.15 2009.7.21】共同調達でコスト削減という幻想
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/15.html
(投票理由不明)
【vol.37 2009.12.22】業務手順書から業務を設計する
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/37.html
(投票理由) 不景気だからこそ、次の一手に繋がると思ったから
など、「調達・購買業務とは何なのか」という問いや、調達・購買業務の本
質に立ち返って業務を見直す事に関連する記事が支持を集めました。
次の傾向として、
【vol.31 2009.11.10】公共料金も削減可能 - 会計検査院が国交相に1億7
千万円の電気代削減を要求
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/31.html
(投票理由)優秀な企業や社員は日本にたくさんいるのに政治はおかしい。
政府の調達に民間から人材が登用されれば政治も変わるという期待を込めて
【vol.32 2009.11.17】無駄な支出のチェックこそ無駄な支出
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/32.html
(投票理由)規定事実が踏襲され、旧態依然の状況にも改善などの努力が
見られない。自らの安全安心を確保することが優先され行政の問題意識が
欠如しており、行政側の怠慢の象徴
【vol.35 2009.12.8】間違いだらけの北沢防衛相「軍服を海外に依存する
なんて」発言 http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/35.html
(投票理由不明)
など、行政に対する厳しい見方です。でも、行政も変わらなければいけない、
変われるのではという愛が感じられます。弊社では、行政は批判しても変
わらない、民間は、行政に期待せず、我われ独自で先に行かなければなら
ないという考え方の下、行政の事例はあくまで他山の石にという視点で記
事をまとめているのですが、皆さん、優しいですね。
最後の傾向としては、
【vol.2 2009.4.21 スタッフサービス、従業員ピークの半数に】
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/2.html
【vol.33 2009.11.24】日立、東芝、ソニーなど大手電機メーカのTV自社生産縮小の意味
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/33.html
など、固定費削減に関わる記事です。そして、その影響は調達・購買にも
出ているようです。お客様の話を伺っていると、各企業とも固定費削減で、
調達・購買部門も相当人員数が抑えられているようです。一方で、担当品
目の数が増えており、担当者一人当たりの担当品目数はかなりの数になっ
ており、一品目に掛けられる調達の工数が相当減っている、ないしは、発
注やトラブル対応に追われ、調達にまったく時間を掛けられないようになっ
ているという状況です。
調達の成果は、掛けた工数にかなり比例します。値決め交渉など低付加価
値の業務の効率化を図る一方で、調達活動、交渉戦略立案などに限られた
時間を割り振っていくという事をしなければ、なかなか成果を出せない環
境に、多くの調達・購買部門の方々は置かれていると考えられます。
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【編集後記】
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
今回の投票結果から、調達・購買業務については、まだまだ「調達・購買
業務とは何なのか」「調達・購買業務の価値はどこにあるのか」といった情
報発信が必要と感じました。
2010年も単なるトピックスの紹介だけでなく、その裏にある調達・購買業
務の本質、価値の源泉に迫るような記事を提供していきますので、「週刊
戦略調達」をよろしくお願い申し上げます。(山本)
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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
www.samuraisourcing.com
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■創刊 2009/4/16
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