【週刊 戦略調達 vol.16 2009.7.28】
日立が設計・試作用電子部品を集中購買
【今週のトピックス】日立製作所は、電子部品のインターネット販売を手掛けるチップワンスト
ップと組み、約700万種類の電子部品や半導体を、同社から集中購買する
仕組みを導入しました。
(出所:2009年7月20日 日本経済新聞 9面)
記事では、調達先を絞り込むとともに1社からの購入量を増やすことでコ
ストを低減、決済や精算などに掛かる手間を軽減すると紹介されていまし
たが、前者は、日立の狙いとは異なるでしょうし、多くの企業が現在抱え
る設計・試作品購買、研究所購買の本質的な課題ではありません。日立の
狙いは、その本質的な課題の解決を狙ったものと捉えるべきでしょう。
現在の設計・試作品購買、研究所購買が直面する課題は、「研究者個人が
バラバラに買っている」「何を買っているか分からない」「細かい買い物
が無数に行っている」といった事務用品と同じ課題です。
ただし、設計・試作品購買、研究所購買が事務用品の購買と異なるのは、
事務用品では、これらの問題を一気に解決できるサプライヤが、アスクル、
カウネット、たのめーるなど複数あるのに対して、設計・試作品購買、研
究所購買では、そうしたサプライヤが存在しない事、「これから何を買う
か予測がつかない」ので、手立てが打ちにくい事などがあり、買い手企業
が、広く多くのサプライヤと協力しながら、自社で仕組みを作っていかな
ければならない点です。
電子部品では、チップワンストップがこの問題解決に向けて先んじた動き
をしていますが、購買統制を掛けるには、顧客側の購買統制システムとの
連携が現在は必要で、日立の例では、日立のイントラネットと接続するこ
とで、この問題を解決しています。
最後に、サプライヤと協力して仕組みを作っていく上で注意しなければな
らないのは、常にその仕組みを切り替えられるようにしておくことです。
当然、サプライヤは、仕組みを作る過程で貴社の囲い込みを図ります。貴
社が切り替えられない状態に追い込まれた時点から、貴社では最善の購買
ができなくなりますので、この点には注意する必要があります。
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【編集後記】
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
先週の共同購買と同じように、最近、マスコミや一部コンサルタントなど
から、集中購買についても、誤った論調が目立ちます。共同購買や、集中
購買の主な目的は、調達先を絞り込んで1社からの購入量を増やすことで
コストを下げる事では決してありません。
こうした誤解に基づき集中購買を進め、「集中購買がなかなか進まない」
「集中購買をしても、コストが下がらない」といった批判的な見方が、集
中購買に対して出ています。
しかし、「集中購買」か「分散購買」かと言ったら、議論の余地なく集中
購買すべきです。「集中購買が上手く行かない」のは、集中購買の問題で
はなく、何を集中させるのかという集中購買の進め方の問題です。
ソリューション、コンサルティング会社様からの質問については、お答え
できない場合もありますが、集中購買とは何をすべきか、その進め方につ
いてのご質問や、記事では述べなかった設計・試作品購買、研究所購買の
仕組みづくりの具体的な方法についてのご質問があれば、お気軽にご連絡
下さい。 (中ノ森)
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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
www.samuraisourcing.com
■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
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