【週刊 戦略調達 vol.118 2011.8.16】
品目数を絞り込んで業績確保 - 山崎パン

【今週のトピックス】

山崎製パンは、2011年12月期第2四半期決算の発表において、東日本大震
災への対応についての説明を行った。それによると、大地震および津波発
生後、国や地方自治体からの要請を受けて、業界を挙げて被災地への緊急
食糧の供給に取り組むと共に、食品売場が品薄状態となり各チェーンから
生産能力を超えた大量発注が続いた。一方で、原材料メーカーの被災で原
料や包装資材の調達が一部不能、また、計画停電により関東の工場で減産
や製品ロスの発生を余儀なくされていた。

こうした事態を受け、同社は、調達可能な原材料を用いて生産できる製品
に生産品種数を大幅に絞り込むなど、各部門毎に緊急事態に対応する生産
販売体制に移行し製品供給に努めた。震災対応として実施した生産品種の
絞り込みは1,800 品から164 品であったという。

生産品種の絞り込みは、結果として、生産ラインの生産性向上とロスの削
減をもたらし、配分・配送等物流業務の効率化と共に販売促進費を削減で
き、業績の確保につながったという。その後、原材料メーカーの復旧と計
画停電の終了に伴い休止製品を徐々に再開するも、品種数の増加を抑制し、
効率的な生産販売体制を維持するよう努めているという。

震災を機に商品数を絞り込むメーカは少なくない。日本たばこ産業(JT)
もその一つだ。同社は震災や計画停電による販売・生産・物流の混乱を避
け、安定供給を実現するために、3月末に、100以上あった銘柄の内、主要
25銘柄に絞り込んでいた。そして、生産を停止していたものの内、大地震
以前より販売数量が少なかった23銘柄について、今後も需要のさらなる減
少が予想されることから、5月に廃止することとした。

東北地方太平洋沖地震の前から新商品の販売効果に疑問を感じ、新商品の
絞り込みを始めていた企業もある。化粧品メーカの資生堂がその一つ。同
社は、年間500~600品目投入していた化粧品の新商品の数を250~300に減
らす予定だ。

同社のこの動きは、大地震の影響によるものというより、同社の末川久幸
社長曰く「売上高を伸ばす手法が新商品の発売効果に依存しすぎている」
ということを懸念してのものだ。

同社の試算では、発売当初の売上高を100とすると、1年後にその2%程度
にまで落ち込む商品も少なくなかったという。2%減ではなく、2%への落
ち込み、つまり1年後には殆ど売れなくなっているということだ。多額の
販売促進費をかけても短命で終わり、発売から1年も経つと不良在庫とし
て積み上がることもあるという。

営業の現場では、機会損失を恐れたり、売上が伸びない原因を消費者ニー
ズに応える商品がないことに求めることが多々ある。そうした声を受け、
新商品が次々と投入され、やがて、品数が膨大に膨れていった。

しかし、あまりに多い選択肢と違いの細かさから、消費者は新商品に初め
は目新しさで手をつけるものの、その後も継続して買うには至らないとい
うことが繰り返されるようになる。これが、資生堂が新商品の販売効果に
感じた疑問であろう。

製品の品数が増えれば、調達品の数も増え、それに伴いサプライヤの数も
増えがちだ。サプライヤの数も増えれば、管理も難しくなる。たとえば、
今回の大震災におけるサプライチェーン寸断の一因として、一社にしかで
きない特注品がサプライチェーン各層の中に含まれていたことにある。

これからは、グローバル競争に勝ち抜くことと、リスクマネジメントやク
ライシスマネジメントの両立を図るため、リーンを追求しつつ、有事の際
には速やかに対処できるようなサプライチェーン、柔らかいサプライチェー
ンづくりが求められる。

そのためには、サプライチェーンをなるべくシンプルにすることが有効で、
管理すべき調達品目、サプライヤの数を絞り込むのも一つの手段だ。しか
し、先に挙げた営業や商品開発サイドの声に押され、商品の絞り込みは昔
からその非効率が指摘されるものの、なかなか進まないテーマである。

それでも、東日本大震災に嫌が応でも対処せざるを得なかったり、デフレ
経済下でグローバル競争が激しくなったりする中で、このテーマに着手す
る企業が出てきているのも事実である。こうした難しいテーマに取り組む、
取り組まないという所で競争力に大きな差がついていく。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

旧共産圏の人にコーラ、ダイエットコーラ、ペプシ、スプライトといった
7つのソーダの中から好きなものを選んで下さいと言った所、「どれでも
良い。全部同じソーダじゃないか。」という答えだったとのことです。
(出所"The Art of Choosing" Sheena Iyengar著)

時代や土地によって、サプライチェーンの効率と品数のバランスというの
は異なるようです(山本)

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【週刊 戦略調達】
■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
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■発行日 毎週火曜日
■創刊 2009/4/16
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