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【環境調達.com 第72号 2010.11.11】
金にならずともサステイナビリティは進めなければならない。米国包装産業の覚悟

【環境調達.com 新着トピックス】

米国の事例になるが、包装産業においてサステイナビリティ(環境保全と
経済性を調和させた持続的成長)への取組がサプライヤや商品選定におい
て重要な要素となっていることが明らかにされた。他にも包装業界におけ
るサステイナビリティの取組を進めていく上での課題も明らかになってい
るので、今回は、この調査結果についてご紹介する。

この調査は、パッケージング業界の情報誌Packaging Digestと米国の環境
負荷低減を目指す包装産業の業界団体Sustainable Packaging Coalition
により2010年10月に実施され、今年で4回目。包装会社のみならず、素材、
包装機械、消費財メーカ、小売など幅広い包装産業関係者から630の回答
を得ている。

約2/3の回答者が包装に関わる意思決定においてサステイナブルなデザイ
ンが重要な要素となっている、約2/3の回答者が自社が、61%の回答者が
お客様がサステイナビリティにより重きを置くようになっていると回答。

また、この4年間の変化として、包装業界において環境問題についての知
識が増加、取組に質的な変化が起こっており、包装業界関係者の関心が
「サステイナビリティとは?」からサステイナブルな素材やデザインの選
定や「自分達の成果をいかに効果的に測定するか?」に進化していること
を挙げている。サステイナビリティに取り組まなければならないと認識し
ているとの回答が、2007年の53%から今回は98%へと増加、サステイナビ
リティについて知らないという回答が2007年の10%から本調査では2%へ
と減少しており、非常に急速にサステイナビリティが業界のテーマとして
浸透したことが伺える。

サステイナビリティでリーダーシップ示している企業として、小売では
Walmartが、消費財メーカではプロクター&ギャンブル(P&G)がそれぞれ
最も得票を集めた。素材や設備メーカでは、環境負荷を低減する商品を提
供するサプライヤが増えてはいるものの、そうした取組の認知度は小売や
消費財メーカに比べると低く、87%がサプライヤ企業の中でサステイナビ
リティのリーダー企業のイメージを有しているものはいないと回答。

サステイナビリティへの取組の課題として挙げられたのが「グリーンウォッ
シング(環境負荷低減効果がないにも関わらず地球に優しいと騙る行為)。」
81%の回答者があまりにも多くの企業がグリーンウォッシングであると批
判。回答者の一人は、こうした現状に対し「グリーンウオッシングがあま
りにも巷にあふれ、真摯に環境負荷低減に取り組んでいる企業の努力がそ
の中に埋没してしまっている。消費者は『エコ疲れ』『環境疲れ』にさい
なまれている。真摯に環境負荷低減に取り組んでいる企業の努力が、安易
に地球に優しいと騙る声にかき消されてしまうのは、非常に忌忌しき事態
である」と懸念を示す。しかし、別の回答者は「こうした状況はサステイ
ナビリティに取り組む上での前提と捉えておかなければいけないが、真摯
な取組を進めている企業は何も恐れることはない、反対にこうした愚行が
真摯な取組を進めている企業の立場を強くしてくれる。そうした企業は、
自分達の従業員やお客様に対して実際に自分達の努力がどれだけの環境負
荷低減の効果を挙げているか、実測値で啓蒙していけばよい。そうした努
力がより多くの人に他者の幸福や地球、利益とのバランスを考えさせる正
の循環につながる」とそうした状況に負けない姿勢を示している。

また、評価方法の問題も課題として挙げられている。調査では、3/4の回
答者が包装業界全体として国際的に統一された各企業・商品のサステイナ
ビリティを評価する指標が、60%の回答者がサプライヤのサステイナビリ
ティへの取組を評価するスコアカードもしくはレーティングが必要と回答。

現在のサステイナビリティの評価基準としては、リサイクル素材が最も多
くの回答者から挙げられた。他にも、36%がリサイクルや再資源化しやす
いデザイン、35%が有害化学物質の不使用、29%が将来的なリサイクルの
可能性といったリサイクル関連項目がサステイナビリティの評価指標とし
て挙げている。次の評価指標としては、エネルギー消費量(42%)。ライ
フサイクルアナリシス、カーボンフットプリント、温暖化ガス排出量といっ
た測定指標の活用も多くの回答者が評価基準として掲げている

最大の課題は経済性との両立。90%以上がどんなサステイナビリティの取
組よりも効率とコスト低減の方が大切と指摘。現在の景気低迷状況では、
2/3近くの回答者がサステイナビリティへの取組を進めるのは困難と述べ
ている。その他のサステイナビリティへの取組の阻害要因として、49%が
資源価格、42%が価格引下げ圧力、38%が代替素材の不在、37%が他社と
の競争、35%が品質要件未達、24%が既存のサプライチェーンへの統合を
挙げている。

お客様の姿勢の問題も挙げられている。80%強の回答者がお客様が環境負
荷を低減する包材を求めているが、その機能を価格に転嫁することは許し
てくれないと嘆く。ここでいうお客様は、回答者がサプライチェーンのど
の位置に属するかで異なっており、多くの回答者がサステイナビリティの
トレンドを引っ張っているのは小売と消費財メーカであり、消費者ではな
いと述べている。

それでも一人の回答者は「サステイナビリティへの対応はコスト、耐久性、
外観と共に第四の最も重要な選定要素だ。」と答え、また、2/3の回答者
がサステイナビリティの取組に遅れをとることは、企業レピュテーション
を損なうリスクがあるとしている。ある回答者は「サステイナビリティは
品質管理プログラムと同じだ。事業を行うのに絶対に必要という訳ではな
いが、1、2年後に事業を継続していく上ではそういう訳にはいかない。」
と記述している。

こうした調査結果を見ると、金にならなくとも、サステイナビリティの取
組を進めていかなければならないというのが米国包装産業の現在の状況と
いえよう。

    
※以上は、掲載企業からの情報や一般に公開されている情報を基に、参考
情報として、弊社の視点で編集したものです。掲載企業との取引や契約に
ついては、あなたの判断に基づき行って下さい。掲載企業との取引や契約
についてのトラブルについては、弊社では一切責任を負いませんので、あ
らかじめご了承下さい。

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【第5回テキサス大学オースティン校 McCombs MBA 非公式分校】

前回の非公式分校では、ツイッターについて取り上げました。ディスカッ
ションの結果、BtoCだけでなくBtoBの中で様々な活用方法があることが伺
えました。

第5回は12/3(金)19:00から開催されます。

今回のテーマはコミュニティの貴社ビジネスへの活用です。今回は、非公
式分校そのものを取り上げ、非公式分校を中心にどうコミュニティを形成
するかなどをディスカッションしていく予定です。

第5回の詳細、参加申し込みは⇒
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=36476

非公式分校の詳細については⇒
http://www.insightnow.jp/communities/id/79
をご覧下さい。

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【「購買プロフェッショナルマネジメント企業から見た購買の方向性」講演
資料の公開のお知らせ】

先日、弊社代表の中ノ森が行った「購買プロフェッショナルマネジメント
企業から見た購買の方向性」と題した講演資料を、web会員様向けに公開し
ています。

当資料では、間接材、本社購買、総務購買、販売管理費品目を中心とした
購買業務の方向性と、日本企業のこれらの購買業務の現状、今後の取組の
具体的な方向性についてご紹介しています。

間接材の購買を担当されている方は是非ご覧下さい。まだ、弊社のweb会
員でない方は、これを機に是非ご登録頂ければと存じます。

既に弊社web会員様で講演資料をご覧になりたい方はこちら⇒
http://www.samuraisourcing.com/member/pdf/100827_ssi_Biznet.pdf

web会員登録のお申し込みはこちら(無料)⇒
http://bit.ly/aEJAK0

※会員様向けの情報提供は、調達・購買・物流関連業務に携わっている方
向けに行っているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、同業
他社様からの申し込みにつきましては、お申し込みをお断りさせて頂いて
おりますこと予めご了承願います。

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【2010年ストラテジックソーシングベンチマーキング継続調査のご案内】

弊社では、調達・購買業務のあるべき姿と日本の現状、各社様の状況を明
らかにするストラテジックソーシングスコアカードを活用したベンチマー
キング調査を継続的に行っています。

当調査は日本の調達業務の礎づくりという観点から、無料にて実施してい
ます。調査にご協力頂いた方には、漏れなく2010年春に実施した調査・分
析結果をまとめた「2010年ストラテジックソーシングベンチマーキング調
査報告書」ならびに次回更新版(2011年春実施予定)を差し上げます。

調達業務のあるべき姿、他社との比較の中での貴社の現状、今後の改善点
を把握する上で、参考になる情報を提供できるかと存じますので、より多
くの方々にご協力賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

当調査の詳細と継続調査への参加申し込みについては
http://www.samuraisourcing.com/service/benchmark/ をご覧下さい。
    
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【貴社の取組事例や優良サプライヤ様を無料で応援させて頂いています】

弊社では、企業規模やブランドに関わらず、本当に良いモノが売れる社会
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サービスの開発事例や優良サプライヤ様について、この環境調達.comや、
弊社のお客様や調達・購買部門の方々などに対する弊社からの情報発信を
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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

米国の包装産業の現状を見ると、やはり環境負荷の低減、サステイナビリ
ティの取組は、お金を使うのではなく、LeanでGreenの発想で知恵を絞っ
ていくしか、今回の調査で指摘されている課題を克服する方法はないので
はと考えます。

難しい課題ですが、大丈夫。「必要は発明の母。」各社各人が知恵を絞れ
ば環境負荷の低減、サステイナビリティと経済性、きっと両立できると信
じます!(山本)

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