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【環境調達.com 第64号 2010.9.16】
環境ビジネスは本当に貴社にとっての成長分野?

【環境調達.com 新着トピックス】

環境ビジネスは今後の日本の成長の柱とよく言われるが、本当にそうだろ
うか。マクロの視点での安易な議論に煽られて、多くの屍が残される。そ
んな予兆になりそうな日本政策投資銀行の調査結果を今回は紹介する。

環境ビジネスは今後の日本の成長の柱とよく言われる。6月に閣議決定さ
れた新成長戦略でも7つの成長分野の一つとして環境エネルギー分野革新、
グリーン・イノベーションが真っ先に挙げられている。

グリーン・イノベーションの中身として取り上げられているものを見ると、
再生可能エネルギー、蓄電池、次世代自動車、火力発電所の効率化、情報
通信システムの低消費電力化、モーダルシフト、省エネ家電、エコ住宅、
ヒートポンプ、LED や有機EL などの次世代照明などがある。

確かにこれらの市場は伸びるだろう。ただ、これらは既にある化石燃料、
ガソリン自動車、発電所、IT、トラック物流、家電、住宅、給湯器、照明
の置き換えに過ぎない。これでは、これまでの産業の需要が新しい産業に
移るだけでマクロ的な意味での成長すら難しい。

確かに、スマートグリッドの構築、資源リサイクルなど日本がこれまで取
りこぼしていた需要を取り込むような産業も含まれている。しかし、多く
の企業が今後の成長分野と見ているのは、電気自動車、太陽光発電のよう
だ。

日本政策投資銀行が8月に発表した今後の成長分野についてのアンケート
調査の結果で参入を検討している分野として挙げられていたのは、電気自
動車が回答企業1,430社の27%にあたる386社でトップ、次いで太陽光発電
の372社、医療・介護関連の355社となっている。

1,500社の回答企業の中からだけでも1つの市場に400社近く参入する。こ
の統計が日本企業の平均的な企業行動を表しているならば、ここに挙げら
れた市場に日本企業の約1/3がこぞって参入することになる。

自動車は裾野が広いのでもう少し細かく見ると、輸送などの利用も含めた
完成車市場に41社、蓄電池に71社、部材に54社となっている。こうしてみ
ると、幾ら裾野が広いとはいえ、蓄電池のような有望市場には多くの企業
が殺到することになるのが分かる。

現在は競争の苛烈さが増し、殆どの産業で一強百弱の世界となっている。
加えて、電気自動車関連の市場は、新しい市場というよりは、ガソリン車、
ガソリンからの置き換えとなり、これらの産業に携わる既存企業は、根幹
となる主要事業が先細りとなる中で、生き残りを賭け、異業種からの参入
者以上に必死になって死に物狂いで新しい市場を抑えにかかるだろう。

こうした事態に陥ってしまうのは、新規事業の参入の基準がどの企業も画
一的でかつ静的であるからと思われる。

大抵の企業が新規事業の参入の基準として掲げるのが、ある程度の市場規
模がある、行政やマスコミなどの権威や他社が有望市場として睨んでいる、
早期に黒字化できるといったものである。これでは、有望市場は誰もが思
いつく限られたものになってしまう。

それなのに、事業計画策定時は大抵が現在のプレーヤーだけを見て、参入
余地があると判断してしまう。人間は、物事を自分の都合よく、或いは、
自分が他者より優れており、敵やライバルが劣っていると考える傾向があ
る。例えば、米国のものではあるが、ある調査では1万人の高校生の内、
76%が自身のリーダーシップは平均以上、反対に平均以下と答えたのは2%
に過ぎなかった。60%の人間が自身が仲間内で10%のランクに位置してい
る、25%がトップの1%に占めると考えていた。(出所:"Discover Your
Inner Economist" Tyler Cowen著")新規事業の見通しを当事者が甘く見
てしまうのは、こうしたバイアスが同様に働いていることが考えられる。

新規事業を考える際には、自分だけがその市場に着目していると考えるの
ではなく、今の市場プレーヤーだけでなく、日本企業、いや世界の企業の
1/3がその市場への参入を考えていると想定し、その中で、自社がそのビジ
ネスを手がける必然性はあるのか、一強百弱の一強になれるストーリーが
描けるか、そのストーリーで置かれた前提は正しいのかということを考え
なければならない。そのチェックに耐えたものでも、千三つの確率でしか
成功しない。それがベンチャーというものだ。

環境経営、敬資源、敬エネルギーは確かにこれからの経営では不可欠な概
念だ。ただ、それは有望市場だからということではなく、もっと企業とし
てのインフラ、考え方として当たり前に持つべきものであって、環境ビジ
ネスを成長の柱とするには、新しい需要を創出するもう一つ別の価値提案、
イノベーションが必要だ。

    
※以上は、掲載企業からの情報や一般に公開されている情報を基に、参考
情報として、弊社の視点で編集したものです。掲載企業との取引や契約に
ついては、あなたの判断に基づき行って下さい。掲載企業との取引や契約
についてのトラブルについては、弊社では一切責任を負いませんので、あ
らかじめご了承下さい。

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向けに行っているため、企業・機関・団体様を特定できない場合や、同業
他社様からの申し込みにつきましては、お申し込みをお断りさせて頂いて
おりますこと予めご了承願います。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

今まで日本版グリーンニューディール、環境を日本の成長の柱にといった
フレーズを聞いた時にもやもやと感じていた違和感についてまとめてみま
した。

お蔭様で、自分なりになぜ違和感を感じていたのが少し見えました(山本)

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■発行者 株式会社 戦略調達 中ノ森 清訓
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■発行日 毎週木曜日+随時
■創刊 2009/6/22
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