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【環境調達.com 第56号 2010.7.22】
イノベーションの敵は常識。心臓の脈動で流体の輸送効率を2倍に

【2010年ストラテジックソーシングベンチマーキング調査結果のご案内】
~日本の調達・購買部門は、コストセンターと認識されパフォーマンス管
理が不十分、人員の手当て不足、IT・ツールの導入不足が課題

まず、お忙しい中、当調査にご協力頂いた多くの方々には御礼申し上げま
す。お陰様で、無事、本調査報告書をまとめることができました。

本調査により、日本の調達・購買部門は、コストセンターと認識されパフォー
マンス管理が不十分、人員の手当て不足、IT・ツールの導入不足が課題で
あることが明らかになりました。

調査結果のまとめは、http://www.samuraisourcing.com/news/100708.html
にてご覧頂けます。

また、今回の調査により、日本の調達・購買機能の更なる向上には、業種
別、規模別などの属性別分析や時系列の推移等のより詳細かつ継続的な分
析が求められることから、今後も本調査を継続し、定期的に調査結果をま
とめていくことと致しました。

当調査の詳細と継続調査への参加申し込みは
http://www.samuraisourcing.com/service/benchmark/ をご覧下さい。
    
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【環境調達.com 新着トピックス】

イノベーションの敵は、常に常識にあります。

これまで石油などのパイプライン輸送では、流す速度を一定にした方がよ
いと常識では考えられてきました。

しかし、そうした常識を覆して、流体の輸送効率を2倍以上にする技術が
開発されました。今回は、この技術をご紹介します。

この技術は、東京農工大学の岩本薫特任准教授によって開発されました。
これまでのパイプライン輸送の常識では、流す速度を一定にした方が効率
的と考えられてきました。

パイプラインの流体輸送におけるエネルギー消費量の9割以上は乱流によ
る摩擦抵抗が占めています。乱流は、流れの中に渦が生じて、まっすぐに
流体が流れなくなる状態です。パイプラインの中では、管の中心付近は流
れが速く、管の内壁近くの場所では流れが遅くなるため、乱流が生じます。

これまでこの乱流を減らすために、ポリマーや界面活性剤などを添加する
方法や、リブレットと呼ばれる微小な突起をパイプ表面につける方法が考
えられてきましたが、添加物を用いる方法は液体のみで気体輸送には使え
ない、輸送後の添加剤の除去が難しい、熱交換器へのコンタミの可能性な
ど、リブレットではゴミが突起に詰まる、配管内の内壁面全面に設置する
必要があるため初期コストが高いといった課題がありました。

岩本准教授は、ここで、流す速度を一定にすべきという常識から離れて、
心臓の鼓動に着目します。心臓は、血液を送り出す際には、一定の速度で
は流しておらず、その鼓動により血液を流す速度を変化させています。生
物の進化というのは合理的なもので、実は、これまでの常識と異なり、心
臓のように流す速度を変化させた方が、効率は圧倒的に高かったのです。
実証試験の結果、流れを心臓のように脈動させることで、最大約58%の動
力削減効果、つまり2倍以上のエネルギー効率を達成したのです。


■この技術のメリット

1. 流体輸送効率を飛躍的に向上

ポンプ、曲がり部、段差から構成された室内実証試験で、最大約58%の動
力削減効果を達成しています。

2. 導入コスト、ランニングコストが小さく、経済性が高い

今回開発された方法では、流体を流すためのポンプの制御方法を変更する
のみで上記の輸送効率改善を可能にしています。導入コストは、リブレッ
ト方式が配管内の内壁全面への設置が必要なのに対して、今回の流体を脈
動させる方法では、各所に設置されたポンプの変更のみです。

ランニングコストは、今回の流体脈動方式ではポンプの制御費のみなのに
対して、添加物方式では添加剤のコスト、輸送後の転嫁剤の除去コスト、
熱交換器へのコンタミの影響など、リブレット方式では、リブレットに溜
まったゴミの除去費用が掛かります。

3. 気体輸送にも適用可能

今回の脈動方式は、添加物方式では難しかった天然ガス、水素、二酸化炭
素などの気体輸送にも適用可能です。


■ 今後期待される適用分野

今回の脈動を用いた方法は、パイプライン輸送におけるほぼすべての流体
に応用が可能であり、幅広い応用分野が期待されています。石油、天然ガ
スの他に、地域冷暖房における冷媒の輸送の多くはパイプランで流体輸送
しています。最近、電力需要を伸ばしているデータセンターでは、電力消
費の約4割を冷却用空調設備の電力消費が占めており、最近では、空調設
備自体のエネルギー消費効率は向上しているものの、データセンターの消
費電力総量そのものは増えているため、更なる効率化要求が強くなってい
ます。そのため、空調設備の電力消費のうち一定割合を占める冷媒の流体
輸送は当技術の活用が期待される分野のひとつです。

他にはガス・水道、温水などの排熱パイプライン輸送が想定されています
が、将来的には二酸化炭素の分離回収後の地中貯留のためのパイプライン
輸送、水素輸送・供給のためのパイプライン網などへの応用展開も目指し
ているとのことです。

東京農工大学大学院では、この技術の実用化に向けて、地域冷暖房やパイ
プライン技術を既に保有している、もしくは長距離の流体輸送の技術開発・
商品開発に知見や実績を有する(もしくは関心のある)企業・組織などと
の意見交換や技術相談、共同開発を望んでいるとのことです。


■開発者情報

名称:国立大学法人 東京農工大学大学院 工学府機械システム工学専攻
岩本研究室

代表者:特任准教授 岩本薫

研究内容内容:航空機、高速列車などの高速輸送機器における乱流摩擦抵
抗によるエネルギー損失の抑制、省エネルギーに寄与する基礎技術の開発

所在地:〒184-8588 東京都小金井市中町2-24-16 
東京農工大学 小金井キャンパス 9号館 3階 355号室

(参考:2010年3月11日付 東京農工大学 プレスリリース)
    
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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

この研究成果発表後、様々な企業から共同研究の申し出が舞い込んでいる
そうです。

イノベーションのきっかけは、まず常識を疑ってみることにありそうです。
(山本)

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