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【環境調達.com 第34号 2010.2.18】
本物の木が持つストーリーを伝えるジャパンモールディング

【環境調達.com 新着トピックス】

前回は、FSCという森林認証の紹介を行いました。
http://samuraisourcing.com/knowledge/green/archive/g33.html

今回は、「次の世代に残していける材料」に拘った結果、FSC認証木材に
たどりつき、FSC認証木材の普及に取り組んでいるジャパンモールディン
グをご紹介します。

ジャパンモールディングは、もともとは総合輸入建材商社でしたが、材料
から建築に貢献する事を考え続けた結果、材料商社として「次の世代に残
していける材料」を取り扱うべきとの考え方から、再生資源としての木材
への注力を決めました。

森林破壊のイメージから、木は切ってはいけない、木材を材料とするのは
けしからんと考える方もいるかもしれません。

しかし、木材は、林業の原則「伐ったら植える」という考え方が守れば、
石油系の化石資源とは異なり、再生が可能です。また、木材を育てていく
には、混み合ってきたものや生育が弱く他の木の生育の妨げになるものは、
間伐していかなければなりません。間伐をしっかり行う事は、地面にまで
太陽光が届くようになり、下草もしっかり育ち、土壌の流出防止、土砂災
害防止のためにも不可欠です。

ただし、この前提は、あくまでも「伐ったら植える」の原則を守り、森林
面積を維持すればの話です。このような観点から、森林面積を維持しつつ、
資源としての木材を産出していく森林管理が求められ、資源としての木材
には、そうした森林からの木を使う事が求められています。

日本では木材の国内需要の約80%が海外から輸入され、間に多くの業者が
介在します。そのため、日本で使われている木材が本当に森林保全を徹底
している森から出されたものなのか、流通の過程で違法伐採された木材が
混ざっていないかといったことを、サプライチェーンの各段階、源流にま
で遡って検証していく必要があります。

そこで、ジャパンモールディングの中野社長が着目したのが、FSC認証だっ
たのです。中野社長は、持続可能な形で木材を提供していくには、FSCの
認証制度が現在もっとも信頼できると考え、建材商社では他社に先がけ、
2004年7月にFSCのCoC(流通・加工)認証を取得し、現在取扱の輸入木材
のほぼ100%がFSC認証木材との事です。

率直に言って、中野社長のお話をお伺いした時には、同社が掲げている森
林保全や先住民の権利など「次の世代に残していける材料」というテーマ
は、FSC同様、省資源や省エネルギーと異なり、消費者に直接経済的メリッ
トが生じる課題ではないので、難しいテーマだと感じました。

ただ、木材は、環境負荷削減がますます重要になるつれ、存在価値を高め
る素材と考えられます。先の持続可能性に加えて、木は、大気中の炭酸ガ
スを吸収し、中に固定していると捉えられています。森林の二酸化炭素吸
収能力は、「伐ったら植える」の原則を守る事により、保持・増加させて
いけば、伐採された木材が素材として使われ続けている限り、その木が吸
収した二酸化炭素は大気に放出されません。

また、木材は他の素材に比べて材料とするのに必要な消費エネルギー量が、
非常に低いという利点があります。建築材料で例にとれば、天然乾燥製材
であれば、1tの木材を生産するのに、必要なエネルギー量を炭素換算し
て30kgを放出しますが、コンクリートが50kgで1.6倍、鋼材が700kgで23倍、
アルミニウムが8,700kgで290倍と、木材が圧倒的に環境への負荷が少ない
事が分かります。(出所:すまいづくりの情報サイトe-house
http://www.e-house.co.jp/woodland/info/column03.html)

そして、木材には木独特の優しさ、温もり、肌触りがあります。木材の良
い所は、表面が多少傷んでも、表面を削ったり磨いたりする事できれいに
する事が容易です。また、住宅や家具に使われていたものを取り出し、新
たに材料としてリユースする事もできます。住宅などで長年使われ、風合
いのある木材は「古材」と呼ばれ、その個性的な外観から、最近では内装な
どの材料として一つの分野を築くまでになっています。木材を長く使う事
は、切ってしまった木の二酸化炭素の放出を抑える唯一の手段でもあり、
古材のように、また、古材ほどの年季が入ったものでなくても、使われた
木材の風合いを生かした利用が広がる事が望まれます。

まだ環境負荷の低減があまり価値として認められていない現在、FSC認証
だけでは商売にならない事は中野社長も理解しており、もう一つ先の取組
み「森まで見える材料を届ける」という取組みを行っています。同社は認証
だけに頼るのではなく、日本の総輸入元として現地の森の状況が確認でき
るニュージーランドのシルバービーチの森との直接取引を中心に事業を行っ
ています。この森の森林管理ならびに製材は、当然FSC認証を持つ会社に
よって行われていますが、中野社長は何度も現地に足を運んでおり、自分
の取り扱う木材がどこから来ているかを把握した上で、商売をされていま
す。FSC認証は、その森の姿を伝えるための一つの手段として使っている
という位置づけで、認証に安易に頼るのではなく、自分が取り扱うモノに
責任を持つという考え方は、同じモノを届ける仕事に携わるものとして、
非常に参考になります。

このように、森や木を愛して止まない中野社長の事業に対する姿勢は、建
材商社として事業を大きく伸ばすというより、消費者に「もっと木を楽し
んでもらいたい」「本物の木に触れなければ森の大切さも実感できない」
というものの方が強いようです。

弊社とは、あるレストランチェーンのお客様の紹介でお会いしたのですが、
その内装を自社のFSC認証材で全部獲ってやろうというものではなく、「大
量生産のローコスト品が当たり前のチェーン店の店舗の中に、一つだけ本
物の木でできた机がポツンとあったら面白いんじゃない」や「新幹線や特急
の椅子のひじ掛けが木だったら温もりがあるのに」といった、「木を楽しむ」
という視点でのキラリと光る提案に興味を惹かれました。

木材をすべてFSC認証材に置き換えていく事は確かに理想ですが、いきな
りは難しいと思います。ただ、こうしたピンポイントで本物の木を使った
方が、「あれっ、こんな所に本物の木が!?」と驚きを生むかもしれません。
製品での利用が難しければ、自社の環境コミュニケーション設備や応接室
などのお客様との接点で、貴社の環境負荷低減の取組みを伝えるためのシ
ンボル、コミュニケーションツールとして、目の前の木をきっかけにニュー
ジーランド最南端に広がる認証森林のストーリーを伝えていく。100ページ
の環境報告書を何万部もバラ蒔くより、目の前に本物の木の机を置く、そ
んなさりげないコミュニケーションの方が、相手の心にはぐっと刺さります。

今は、携帯電話でも、本物の木を使ったモデルが出ている時代です。頭を
使えば、色々な木材の用途、本物の木から始まる環境コミュニケーション
の用途が考えられるのではないでしょうか?

■会社情報

名称:ジャパンモールディング有限会社
代表者:代表取締役 中野 秀治
設立:1996年4月1日
事業内容:輸入建材卸
所在地:〒069-0821 北海道江別市東野幌町1-9-1117
会社URL:http://www.k2.dion.ne.jp/~jml/
TEL:011-381-9151

※以上は、掲載企業からの情報や一般に公開されている情報を基に、参考
情報として、弊社の視点で編集したものです。掲載企業との取引や契約に
ついては、あなたの判断に基づき行って下さい。掲載企業との取引や契約
についてのトラブルについては、弊社では一切責任を負いませんので、あ
らかじめご了承下さい。

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【編集後記】

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

現在は、学校の教室の机まで木ではなく、木のように見える脂製の天板の
パイプ机に置き換わっています。

環境コミュニケーション、環境教育という観点からは、環境負荷低減、資
源の大切さを学ぶ初期の場所である学校の教室のような所こそ、本物の木
を置き、その後ろにある森の姿、森林管理の問題、必要性をコミュニケー
ションしていく、そういった細かい工夫が、環境負荷低減の啓蒙には必要
ではないかと、中野社長とお話していて感じました。(山本)

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