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【環境調達.com 第29号 2010.1.14】
グリーンウオッシュと呼ばれぬ先の杖

【「週刊 戦略調達と環境調達.comで2009年を振り返る」企画へのご協力
のお願い】

記事投票にご協力頂いた方、早速にありがとうございました。

2010年の企画第一弾のご協力引き続きお願いしています。2009年を振り返っ
て、2010年を占います!

最新のトピックスから、調達・購買業務とそのマネジメント、コスト削減・
経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」と、当誌「環境調達.com」、
これらの記事で2009年を振り返ってみませんか?

それぞれの記事一覧の中から、2009年を最も象徴しているなぁと思われる
ものをお選び下さい。集計の結果で弊社にて現在の世相を占います。30秒
と掛かりませんので、よろしくお願い申し上げます!

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【環境調達.com 新着トピックス】

あなたは「グリーンウオッシュ」という言葉を聞いた事はありますか?

グリーンウオッシュは、環境に配慮した洗剤ではありません。「グリーン
ウォッシュ(Greenwash)」は、商品やサービス、企業などのPRや、マー
ケティング、販売宣伝において、根拠や関連のない謳い文句により、環境
に配慮しているように訴える、コミュニケーションの相手に印象づけよう
とする行為を指します。

英語で環境への配慮を示すGreenと、安価な塗料、転じて、ごまかし、粉
飾、取り繕いという意味を持つwhitewashを組み合わせた造語です。上辺
だけで環境に取り組む企業は、「グリーンウォッシュ企業」と呼ばれる事
もあります。

くれぐれも、海外で実際に環境に配慮した洗剤を販売される企業は、
"Greenwash"という商標名をつけないで下さいね。あるいは、しゃれでつ
ければ相当な注目を得られるかもしれませんが、そうしたふざけた名前の
商品がどれたけ売上を上げるかの責任はご勘弁を。

日本では、似た言葉に「エコ偽装」があります。エコ偽装は、大手製紙メー
カ各社による古紙配合比率の偽装によるエコマークの不正取得事件で広く
使われました。最近では、昨年の日立アプライアンスが環境への配慮を謳っ
た冷蔵庫で、謳われていた二酸化炭素削減効果は、あってもその1/4から
半分以下、しかも、環境負荷削減につながるとしていた原材料は、実際に
は一時的に一部製品に使われているのみといった事件で使われていました。

エコ偽装が意図的、事件性が高いのに対して、グリーンウオッシュは、も
う少し対象範囲が広く、意図的ではなくても、安易にエコ、環境、地球に
やさしいなどの表現を利用し、イメージアップを図るものまで含みます。
また、法令違反とはいえないまでも、宣伝や地球環境報告書に、関係の無
い緑や地球の写真を使うなど、情報の受け手に誤解や実態以上の期待を抱
かせる行為まで含みます。エコ偽装もグリーンウオッシュの一部ですが、
グリーンウオッシュの方が環境コミュニケーションにより厳しい態度を求
めているといえるでしょう。

この考え方に立てば、前回ご紹介したエン・ジャパンの[en]グリーン・
ウエディングは、エコ偽装とまでは言えないかもしれませんが、グリーン
ウォッシュと言われても仕方のないケースかと。(「【環境調達.com
第28号 2010.1.7】ちょっとグレーなen Japanのグリーンウェディング」:
http://samuraisourcing.com/knowledge/green/archive/g28.html ご参照)

他に、グリーンウオッシュの典型例として挙げられているのが、単に法令
遵守に過ぎないものを、自社独自の環境負荷削減への取組みとして訴える
ものです。近年、グリーン調達という言葉が提唱され、各企業はこぞって
グリーン調達方針、ガイドラインなどを掲げ、環境報告書でも、グリーン
調達方針、ガイドラインなどを掲げている事を、環境への取組みとして紹
介しています。グリーン調達とは、元来は、企業が資材や原料、部品の調
達に際して、環境負荷の低いものを優先的に採用する事を指す考え方でし
た。しかし、各企業がグリーン調達を進めた背景として、EUがWEEE、RoHS
指令、REACH規則など環境規制を進めた事、特に、電子・電気機器におけ
る特定有害物質の使用を制限するRoHS指令は、裾野が広い電機、自動車産
業が対応しなければならなかった事があり、グリーン調達がこれらRoHS指
令、REACH規則などへの対応に矮小化されてしまった感があります。しかし、
これら規制への対応は、やって当たり前の対応であり、その対応を以って
地球環境の負荷に積極的であるとするのは、グリーンウオッシュとみなさ
れます。こうした見方に立てば、日本企業の多くが、まだまだグリーンウ
オッシュ企業とみなされても仕方がありません。

日本では、コミュニケーションの厳密性をあまり求められず、グレーを寛
容する傾向があるので、「何もそこまで」「法を犯してなければ良いので
は」「悪気があってやった訳ではなく」と捉えられるかもしれません。し
かし、もう少し広い観点から、グリーンウオッシュに対して、厳しい視線
が求められます。

それは、グリーンウオッシュが、ようやく芽生え始めた生活者の環境意識
を破壊するものだからです。グリーンウオッシュは、一人の心無いマーケッ
ターが安易に地球に優しいと訴える事により、真剣に地球環境への負荷削
減に取り組んでいるあらゆる企業、団体の行為を無力化する行為です。

すべてのコミュニケーションは、相手の述べている事は真実である、嘘を
ついていないという前提があって、初めて成り立ちます。相手の言ってい
る事が信じられなければ、どれだけ沢山の情報をもらっても、意味を持ち
ません。環境以外でも、健康やファッションなどで、独自の機能を持った
商品がヒットすると、機能が劣る粗悪なコピー商品がその市場に殺到し、
市場そのものを破壊してしまうのが、これと同じ構図です。

環境負荷の低減は、トレンドやファッションと大きく異なり、ブームで終
わらせて良い問題ではありません。資源は有限である一方、世界的には人
口増、消費水準の向上を考えると、永続的に取り組まなければいけない課
題であり、それを単なるブームに貶めるグリーンウオッシュには、厳しい
姿勢で臨む必要があります。

環境コミュニケーションの難しい所は、環境、エコ、グリーン、地球に優
しいといった言葉が、非常に主観的かつ色々な意味を持つ点にあります。
これらの言葉は、聞き手により、省資源、省エネルギー、温暖化ガス削減、
生物多様性、様々な意味を持ちます。また、これらの項目への影響に対し
て、自社の商品・サービスの製造・提供過程だけではなく、提供後のライ
フサイクル、部品、原料、資材の源流も含めて評価しなければなりません
が、情報の出し手、受け手の何れもが、分かりやすい目の前のものだけの
短期的な情報だけを頼りに判断してしまう罠に陥りやすいという点もあり
ます。

こうした問題に対して、日本では、すぐに政府や第三者機関が規制すべき
という発想になりがちですが、それはあまり得策ではありません。企業が
発するあらゆるコミュニケーションをチェックする機関の維持には、膨大
なコストが掛かります。

環境負荷の削減にはイノベーションが不可欠ですが、規制はそれだけを守っ
ていれば良いという考えや、規制から外れたものは、イノベーションであっ
ても悪であるという考えを強める方向で働きます。製紙メーカ各社や日立
アプライアンスのエコ偽装がそうであったように、規制や認証には結局抜
け道があり、コストばかり掛かって、価値を生まないものが少なくありま
せん。

日立アプライアンスの冷蔵庫は、財団法人省エネルギーセンターより3年
連続で省エネ大賞を受賞していましたが、そもそもこの財団法人は、電機
など大手メーカ各社社長が理事として連なっており、日立アプライアンス
の親会社の日立製作所からも、現在は庄山相談役が理事を務めています。
チェック機関には高い技術評価能力が求められますが、独立した機関でそ
れだけの能力を保有できるか、保有できたとしても、そのコストを維持し
続けられるかという課題があります。これらの問題を考えると、規制やチェッ
ク機能は、悪質な違反に対する罰則規定に留めるのが、現実的な線でしょ
う。

となると、一つの解は、一人ひとりの買い手が、情報への批判能力を高め
る事にあります。環境コミュニケーションは、玉石混交あるという前提に
立った上で、本物を見極める必要があります。政治やマスメディアは民度
の反映とよく言われますが、商品・サービス・企業に対する評価も、情報の
評価能力という観点から、民度が反映されるものと考えられます。買い手
側には、グリーンウオッシュ企業を見極め、それらの企業を排斥すると共
に、環境負荷の削減に真剣に取り組んでいる企業を支援するという姿勢が
求められます。難しい事のように思えますが、この見極めの第一歩は、非
常に簡単なもので、環境、エコ、グリーン、地球に優しいという表現に対
して、「何が?」「どうしてそう言えるの?」と自問自答するだけで、根
拠や関連のないコミュニケーションは簡単に見破る事ができます。

EnviroMedia Social Marketingという米国の広告代理店とオレゴン大学ジャー
ナリズム&コミュニケーション学科が運営するGreenwashing Indexという
サイト(http://www.greenwashingindex.com/)では、グリーンウォッシュ
と思われる広告をユーザ間で共有しています。こうしたサイトを利用する
のも一つの手です。ユーザの評価が必ずしも正しいのかという意見はある
かもしれませんが、そうした評価はコミュニケーションの結果という意味
ではFactであり、一つのものさしにはなります。

しかし、一番重要なのは、環境負荷削減に真剣に取り組む我われ企業側の
コミュニケーション能力の向上でしょう。「環境にやさしい」という主張
をするからには、その根拠を提示するのは、情報の出し手の責務です。ま
た、よい商品・サービスを市場で提供していくためには、粗悪なものまね
企業を市場から排除するために戦う必要があります。これらも難しい事の
ように思われるかもしれませんが、非常に簡単な事から始められます。例
えば、

1.環境コミュニケーションにおいて、「環境」、「エコ」、「グリーン」、
「地球に優しい」という表現を使わない、ないしは、「○○で環境」、
「○○でエコ」、「○○でグリーン」、「○○で地球に優しい」と必ず主
張の根拠を示すと共に、その主張が正しいか、自己チェックを掛ける
-文章で明確にすれば、自己チェックでも正しい評価がしやすくなります
し、これができないという事は、根拠が整っていないと、すぐに明らかに
なります。ものまね企業には、このレベルでのコミュニケーションにすら
ついて来る事ができません。

2.環境コミュニケーションに力を入れる前に、コミュニケーションの素
材である商品・サービス・事業そのものの環境負荷低減に注力する
-商品・サービス・事業の設計・デザインが実際に環境負荷低減につなが
るのであれば、根拠を示してそれをコミュニケーションするのは、難しく
ありません。

3.あらゆる企業活動を環境負荷低減の観点で設計、改善していく
-これは簡単な事ではありませんが、一つの商品だけで、環境負荷低減を
実現したとしても、それだけでは地球に優しい企業と自らを呼ぶのは控え
た方が良いでしょう。売上の大半をそうした事業で構成する、あらゆる企
業活動そのものを環境負荷低減の観点に基づいて設計、改善していく仕組
みを作って、初めてエコ企業と言えます。それができないのであれば、誤っ
た主張は止めましょう。これならば、誰にでも簡単にできます。そうすれ
ば、少なくとも、グリーンウォッシュ企業のレッテルを貼られる事は避け
られます。厳しいようですが、それが環境企業、環境経営というものだと、
弊社では考えます。

※以上は、掲載企業からの情報や一般に公開されている情報を基に、参考
情報として、弊社の視点で編集したものです。掲載企業との取引や契約に
ついては、あなたの判断に基づき行って下さい。掲載企業との取引や契約
についてのトラブルについては、弊社では一切責任を負いませんので、あ
らかじめご了承下さい。

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【編集後記】
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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